リサイクル生地で作られ、軽くて機能的なランドセルが注目されています。体を締め付けないことから障害がある子どもにも喜ばれています。開発者や利用者に話を聞きました。
(済々黌高校文化祭のにぎわい)
9月、熊本県立済々黌高校です。晴天に恵まれた文化祭に保護者や卒業生のほか、家族連れなど多くの人が訪れていました。
(応援団の演武)
済々黌の代名詞といえるのが学生帽や制服、校舎の正面に入っている黄色い線、いわゆる『キナセン』。その『キナセン』が入ったバッグがこの日、売店の一角に展示されていました。『済々黌キナセン通学BAG(バッグ)』です。
【バッグを見た人】
「へー、すごいね。ランドセルみたいじゃない?}
「軽くていいですね。かっこいいなと思います」
「これ、軽いですね。教科書は結構入ると思うので、欲しくなる人もいると思います」
このバッグ、中高生から大人まで使えるLサイズのランドセルで、弁当箱が固定できるようになっています。
ブランド名は『ニューランド』。
リサイクル生地で作った布製のランドセルとして、2021年に登場し、SNSなどで話題となりました。
重さは、892グラム。
東京に本社を置く『RANAOS(ラナオス)』が販売していて、ことし5月に初めて熊本市で展示会を開きました。
【来場者】
「軽い!」「軽いんだ」
【RANAOS(ラナオス)岡本 直子 代表】
「一般的なランドセルは革や合皮で作るんですが、ニューランドは布でできていますので、通常のランドセルより軽い。軽いけれども、たくさんのポケットがあって、人気なのがこの拡張機能。スーツケースとかでもよく見ると思うんですが、荷物の多い時に、体操着とか上履き、給食袋が入るんです。フラップが取り外しできて、外すと200グラムぐらい軽くなるので、校外学習とかちょっとした旅行とかそのまま使えるので、1つで2個分」
【来場者】
「上のお兄ちゃんもこれを使っていて、通学が30分くらいかかるので、〈軽いほうがいいかな〉と思って、下の子もこれにしました」
こちらの家族は鹿児島から来場しました。
【来場者】
「鹿児島(のデパート)でニューランドが出したので(上の子のランドセルを)買いに行って、すごくよかったので、下の子にも買ってあげたいと思って来ました」
【小学3年生】
「走りやすい」
【来場者】
「収納性がいい。いろいろな物が入るでしょう」
開発のきっかけは、岡本代表の小学1年生の長男が、猛暑の中、重いランドセルを背負っているのを見て、〈なんとかしたい〉と思ったことでした。
そして、子どもたちや母親たちからさまざまな意見を聞いて、「軽さ」「大容量」「中身の出しやすさ」「丈夫さ」「デザイン」をキーワードに新しいランドセルを作り上げました。
「どんな子どもでも使いやすい」を目指した結果、障害がある子どもや特別な配慮が必要な子どもの家庭にも口コミで広がったといいます。
熊本県立菊池支援学校4年生の西田いろはさん。入学前に自宅で使い心地を確かめるレンタルサービスを利用しました。
【母・まさ子さん】
「『できるだけ軽いランドセルを選びたい』というふうに入学前は話し合っていろいろ情報を集めていました。筋力が弱く、体格も小さかったので、〈背負えるのかな〉という不安がありましたね」
【父・淳一さん】
「背負うタイプのバッグとこの部分の柔らかさは似ているじゃないですか。だから割とスムーズに。背負い心地は近いんじゃないかな」
【母・まさ子さん】
「鏡の前で背負ってピョンピョン跳ねて、うれしそうにしていました」
【西田 いろはさん】
「いろハッピー!」
ニューランドのランドセルは利用者のさまざまな声を取り入れて、ことしは留め具を変えた商品を出すなど使いやすさを追求しているそうです。
いろいろなランドセルがあって、体格や好みなどはみんな違いますし、自分に合ったものを選べるといいですよね。