「松山」の縁で深まる絆ー愛媛と台湾の若者交流が架け橋に
同じ「松山」という地名を持つ愛媛と台湾。その縁をきっかけに、若者同士の交流が深まっている。先月末から4日間の日程で、愛媛大学の学生たちが台湾を訪れ、現地の大学生との友情を育んだ。
「こんだけ松山を発信できて日本の文化を発信できるので、自分でも発信できたらいいなと思いました」と語る愛媛大学の学生。その4日間の交流の様子を追った。
愛媛と同じ「松山」がある台湾
愛媛大学の学生たち:
「いってきまーす」
雨のなか飛び立ったチャーター機。松山から2時間半のフライトで向かったのは、約1500キロ南、愛媛と同じ「松山」という地名がある台湾だ。若い世代の交流を目指す今回の事業は、鉄道観光協定を結ぶJR四国と台湾観光庁などが企画したもの。
今年9月には台湾海洋大学の学生4人が愛媛を訪れ、松山城やJR松山駅を愛媛大学の4人と一緒に巡った。

台北市の松山駅はJR松山駅と姉妹駅
10月31日から4日間の日程で愛媛の学生が台湾を訪れた。台北松山空港に降り立った愛媛大学の学生らは、まず台北市にある松山駅に向かった。
国営台湾鉄路・葉合祺駅長:
「台湾の松山と日本の松山の締結書はこちらです」
同じ名前の縁でJR松山駅と姉妹駅になっているこの駅には、松山秋祭りの法被など、日本の松山をPRするコーナーが設けられている。

松山市からプレゼントされたカラクリ時計
駅のすぐ近くに設置されたカラクリ時計。2013年に松山市がプレゼントしたものだ。道後温泉駅前のカラクリ時計とほぼ同じもので、からくりが動く時間になればどこからともなく観光客が集まってくるところも、本家と瓜二つだ。
愛媛大学・櫻木淳之介さん:
「駅の中は日本っぽさもちょっと残っていたんですけど、地上に出たら台湾を感じますね。アジアって感じが」
愛媛の学生たち、初日の夜は早速、台北名物の屋台グルメを楽しんだ。

台湾にも日本と同じじゃんけんが
そして2日目。一行は台北の温泉街で開かれた「2025台北温泉まつり」に参加した。
台湾の言葉で:
「ジェンダオ・ス―タオ・プー」(じゃんけんぽん)
大行列の現地の観光客と道後温泉グッズを賭け、じゃんけん勝負。実は台湾にも、日本と同じじゃんけんがあるって知ってましたか。
愛媛大学・櫻木くん:
「こんだけ松山を発信できて、日本の文化を発信できるのでいいなと思ったんで、自分でも発信出来たらいいなと思いました」
愛媛大学の学生たち、見事、道後温泉のPRに一役買ったようだ。

松山に来てくれた台湾海洋大学の学生と再会
この夜、松山に来てくれた台湾海洋大学の学生と再会。
台湾海洋大学・謝志銘さん:
「楽しみすぎて、2カ月ぶりに会えたから楽しい。」
愛媛大学大学院・西本晴馬さん:
「松山で新しく出会った人たちと、台湾でまた会えるのがすごくうれしい。松山と(台湾の)松山を繋ぐいい機会じゃないかなって思います」
愛媛大学・櫻木さん:
「ん~~おいしい!おいしい!」
「ちょっと似とるかもしれん。『おいしい』と『ハオチー』」
小籠包など現地グルメで夕食を楽しんだ学生たち、2度目の対面だが、言葉の壁を感じさせないほど話も弾む。

台湾チームがサプライズでケーキを準備
3日目。学生たちの案内で台北市のお隣・基隆市にある台湾海洋大学を訪れた。
実はこの日、愛媛大学の佐伯さんが21歳の誕生日を迎え、台湾の仲間からお祝いを受けた。
謝志銘さん:
「LINEで誕生日が11月2日になっててわかった」
佐伯水穂さん:
「びっくりしました。えーそんなことってあるんやって思いました」
先日交わしたSNSの連絡先から、佐伯さんの誕生日を知った台湾チームがサプライズを企画したのだ。“友達を祝ってあげたい”いつの間にかお互いの間に絆が芽生えていた。

松山から松山へ 心から心の繋がり
ツアーガイド:
「はい、ここがベストショットです」
その後、一行は台湾有数の人気観光スポット九分を訪れた。かつてゴールドラッシュで栄えたという九分の街。日没とともにライトアップで輝き始めるといよいよツアーもラストです。
李福斯助理教授:
「松山から松山へ。きょうは心から心の繋がりですね。きょうは終了の日じゃなくてこれがスタート。乾杯」

8人が囲んだ最後の食卓は終始、笑顔に包まれていた
繋がった絆を確かめるように、8人が囲んだ最後の食卓は終始、笑顔に包まれていた。
愛媛大学・小山由理奈さん:
「本当にあっという間の4日間でした。こういうのを台湾の友達があげてくれてて、一緒にシェアしたりして、こうやって交友関係が広がっていくのがいいかなって思います」
愛媛大学・櫻木淳之介さん:
「前、松山でした時は初対面だったので、ちょっと話しにくさとかコミュニケーション取りにくさがあったんですけど、今回は台湾の方もウェルカムな感じで来てくれて、本当に楽しく交流できた」
『松山』という同じ地名をきっかけにつながり、一気に絆を深めた8人の学生たち。次の世代を担う若者たちの交流が、愛媛と台湾の新たな懸け橋となることが期待される。

