10日未明に入ってきた「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志容疑者逮捕の一報。

兵庫県議会議員だった竹内英明さん(当時50歳)の名誉を毀損した疑いがもたれていまる。

斎藤知事の疑惑を調査していた兵庫県議会の百条委員会委員長を務め、竹内元県議と同じように誹謗中傷を受けた奥谷謙一議員は、逮捕について「驚いた」と話すとともに、「1人で創作してやったとは考えづらい。背後関係にある真相を知りたい」と訴えた。

■相次いだ誹謗中傷「“何が起こるんだ”という怖さがあった」

奥谷議員は立花容疑者から誹謗中傷を受け、被害を訴えていました。6月に名誉毀損などで刑事告訴して、立花容疑者は書類送検されている。

立花容疑者の逮捕について、奥谷議員はまず「驚いた」と受け止めを語った。

【奥谷議員】「驚いたと同時に、勇気を出して刑事告訴された、竹内議員の奥様もおっしゃっておられましたけれども、ほっとしたなっていうのが正直な思いです。当時はやはり精神的なダメージは大きかったと思います」

送検される立花容疑者
送検される立花容疑者
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去年11月、兵庫県知事選挙期間中の立花容疑者のYouTubeで公開された映像では、奥谷議員の自宅兼事務所の前での様子が残っていた。

【立花容疑者のYouTubeより】「この先ずっとこの家に閉じこもっておくんですか。出て来い奥谷(県議)本当に!あまり脅しても奥谷さんが自死されても困る」

このときのことについて、奥谷議員は次のように振り返る。

【奥谷議員】「当然あんなこともされた経験もないですし、“何が起こるんだ”という意味で、怖さはありました。

立花さんの言動、行動もそうなんですけれども、立花さんがいろいろ家のインターホンを押すとか、そういう行動出たときに、周りの聴衆がワーッと湧いていたというか、あおるようなことがあったんですけど、私とすればそちらの方が、ちょっと不気味さといったら言葉が悪いんですけど、怖さは感じた」

【吉原キャスター】「電話やメールでどういう誹謗中傷がありましたか」

【奥谷議員】「知事選挙中が一番多かったと思いますけども、留守番電話とか、数も数えてないですけど、かなりたくさんの抗議といいますか、電話をいただきましたし、手紙もそうですね。ここではちょっと言えないような内容の手紙もたくさん届きました」

立花容疑者のYouTubeより
立花容疑者のYouTubeより

■誹謗中傷 家族や“知事の疑惑調査”百条委への影響は

誹謗中傷が続く中で家族にも影響が出たと話す。

【奥谷議員】「立花氏が自宅の前で演説をして、その時、母は避難していたんですけど、それが終わって自宅に戻ってきたときは、やっぱり『何でこんなことをうちがされなあかんの』っていうことで、ちょっと泣いていることもありましたので。

その時は本当に私もちょっと家族に迷惑かけて、申し訳ないなっていう思いはありました。

知事選が終わってからも、百条委員会が続いていたので、その時はな誹謗中傷などには影響を受けないようにやろうと心がけていましたけれども、全くなかったかというと、今思えば影響はあったのかもしれないなと感じています。

百条委員会は必ず最後まで報告書はまとめたいと思っていましたので、そこは影響を受けないようにやろうというのは、最後まで心がけていました」

【吉原キャスター】「兵庫県議会議員として、百条委員会の委員としても、なかなか萎縮して言えないということになると、健全な議論ができなくなるということはありませんか」

【奥谷議員】「それは当然あるんだろうと思います。ただ、それぞれ議員さんはそういう誹謗中傷があったとしても、言わないといけないことは、しっかり言うということは、皆さん心がけてやっていらっしゃると思います」

奥谷議員
奥谷議員

■参院でNHK党所属議員と自民会派が同じ会派に 自民所属の奥谷議員の考えは

立花容疑者は先月、自身のYouTubeチャンネルにある動画をアップしていた。

【立花容疑者のYouTubeより】「奥谷様のお気持ちは分からなくはないんですが、もうここはチャラにしましょ。一緒に奥谷君。同じ自民党の会派(奥谷議員は自民党所属)として、もう僕謝る。もう奥谷さんには勝てない。

奥谷君許して、靴をなめにいってもいいわ。奥谷さん、ごめんなさい。僕はもう二度と奥谷さんには逆らいません」

奥谷議員は「謝罪とは受けとれない。腹立たしい」と話した。

この動画について、元テレビ朝日アナウンサーで弁護士として裁判で立花容疑者と対峙したこともあるという西脇亨輔さんは「NHK党所属の参議院議員と自民党の参議院の会派が同じ会派を組んだことについて、自民党の兵庫県議団が抗議したことに対して、『奥谷さん許して』と発言している」と指摘して、奥谷議員に質問した。

【西脇亨輔さん】「自民党の参議院の会派とこのNHK党の議員の人が、1つの会派を組む。立花党首の様々な言動と、自民党の価値観は相容れるものなのでしょうか」

【奥谷議員】「これはもう私の個人的な見解ですけれども、それは全く相容れないんじゃないかとは思っています。なのでNHK党の方が、自民党の参議院の会派に入ったということは、今でも驚いていますし、100%納得はしてないです。

政治活動の上で誹謗中傷したり、人を傷つけたりするような行動をとるというのは、自民党の考えとは全く違うんじゃないかなと思います」

立花容疑者のYouTubeより
立花容疑者のYouTubeより

■斎藤知事との向き合いは

立花容疑者が誹謗中傷を行うきっかけとなったのは、去年11月の兵庫県の出直し知事選挙だった。

奥谷議員は斎藤知事に対して、現在どのように向き合っているのか。

【奥谷議員】「今日も斎藤知事とお会いして、政策に関する要望書を渡したんですけれども、そういった県政に関する政策面については、当然知事だけではなくて、県職員の方々と一緒に議会もしっかり前に進めていけているとは思っている。

ただ一方で、私も前の代表質問では、文書問題(元県幹部が斎藤知事を告発した文書を巡る一連の問題)に関連して、第三者委員会の報告書や、われわれが百条委員会を設置して作成した報告書を、知事はまだ真摯に受け入れていただいていないので、そこは受け入れていただきたいということは、今でも主張しています」

斎藤知事
斎藤知事

■「背後関係について真相を知りたい。その上で(立花容疑者について)評価したい」

【吉原キャスター】「立花容疑者について、改めてどういう存在だとお考えですか」

【奥谷議員】「今回、立花さん逮捕されましたけど、知事選挙を通じて、いろんな誹謗中傷とか電話とかを拡散したんですけれども。

それが立花さん1人で創作してやったとは考えづらいので、そこの背後関係について、私は真相を知りたくて。それを知った上で、どういう人物か評価したいなとは思います」

奥谷議員
奥谷議員

■竹内元県議への思いは

さらに西脇さんは奥谷議員が竹内元県議を“竹内県議”と呼んでいることについて聞いた。

【西脇さん】「今回の竹内元県議に関しての逮捕ということになった。それのコメントの中で、竹内さんはもう県議を辞められていたので、竹内“元県議”と呼ばれる方が多いんですけど、奥谷さんはずっと、“竹内県議”と。どういった思いからなんでしょう?」

【奥谷議員】「そこは自分の中で意識が、まだ“竹内県議”という意識が残ってしまっているというか。

実際に正式な手続きをとって辞められたんですけれども、本当に竹内さんが辞めたくて辞めたのか、とか、そこに無念というか、色んな感情があったんじゃないかとか、色んな想像するんですけど。

何となく自分中では、まだ辞めたということを認めたくないという気持ちもありますし、難しいですけど無意識に言ってしまっていると思います」

(関西テレビ「newsランナー」2025年11月10日放送)

竹内元県議
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関西テレビ
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