相次ぐ人的被害によって、身近な存在になってしまったクマ。
もしも出会ったときに、どう対応するべきか?
そこで取材班は、北海道にあるヒグマの生態を学べる施設を取材した。

「立ち上がって両手を上げたら3メートル」

15ヘクタールもの広大な自然…。

この記事の画像(20枚)

その中で生活するクマの生態から、命を守るヒントを探ることに。

安全を確保のもと、飼育員とともにクマが暮らす獣舎に向かった。

十勝サホロリゾート  ベア・マウンテン  坂出勝園長:
クマの部屋に入る扉も2重、南京錠も2重。必ず2人以上の人間で獣舎に入る。安全策ですね。

厳重に管理された扉を抜け奥に進んでいくと、日光浴をしている巨大なクマの姿が…。

ーー何kgくらいあるんですか?
十勝サホロリゾート  ベア・マウンテン  坂出勝園長:
これで380kgはあると思うんですけど。冬毛になっているので、かなり体は大きく見えると思います。立ち上がって両手を上げたら、3メートルぐらいは。

記者リポート:
かなりの大きさです。こちらに向かって、ゆっくり歩いてきました。

施設では、11頭もの成獣のクマが飼育されていて、現在は冬眠シーズンに入るための準備をしているという。

一見、穏やかそうに見えるクマだが、その姿を観察してみると…

記者リポート:
すごく鋭い爪を持っています。

さらにクマには、人間では到底太刀打ちできない驚異的な身体能力があるという。

ーー野生とかでは、どれぐらいの速さで走るんですか?
十勝サホロリゾート  ベア・マウンテン  坂出勝園長:
全速力で時速50kmぐらい。300kg超えるような動物が、それだけ機敏に動ける筋肉を持っているということ。まず人間ではどうにもならない。

クマが走る速度は時速50kmにもなり、100メートルを約7.2秒で走ることになる。人類が持つ世界記録より、2秒以上も早いスピード。

これは、2023年に北海道・大樹町で撮影された映像。

走行中の車と同じスピードで、クマが併走している。

十勝サホロリゾート  ベア・マウンテン  坂出勝園長:
持久力もありますし、カラダの大きさの割には柔軟性があるというか、カラダも柔らかい。

また、泳ぎも得意なので、広い範囲を移動もできるという。

さらに…

猛スピードで車へ体当たり。フロントガラスをいとも簡単に破壊してしまう、クマの驚異的パワーについては…。

十勝サホロリゾート  ベア・マウンテン  坂出勝園長:
パンチ力は2トンといわれています。例えばお相撲さんが「はっけいよい、のこった」って、当たりますよね。あの衝撃が1トンといわれていますので、その倍のパンチ力。
襲われるようことがあったら、もう覚悟しないといけないぐらい“日本最強”。

パワーとスピードを合わせ持ち、“最強”とうたわれるクマ。

たびたびカメラに撮影されるクマの鳴き声は、“危険なサイン”だと担当者は指摘する。 

十勝サホロリゾート  ベア・マウンテン  坂出勝園長:
普段、鳴き声っていうのはほとんど発しません。
緊張状態で、そのときに威嚇として鳴き声を聞くことがあります。
声が聞こえる範囲に自分がいるんだと思えば、すぐにでもその場を離れるというのが一番いいと思いますね。

もしも出会ってしまったら、クマを興奮させないように、ゆっくりと顔を背けずにその場を離れることが重要だ。
(「イット!」 11月10日放送より)