「(クマが出たのは)すぐそこらしい。ビックリした」。富山市の神通川河口付近でクマの足跡が見つかり、住民の間に不安が広がっている。

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山から20キロ離れた河口でクマの痕跡

富山市によると、11月7日午後10時頃、富山市草島地内の住民から「クマの足跡と糞がある」との連絡があった。市職員と猟友会が調査したが現地での痕跡確認はできず、通報者が提供した写真からクマの足跡が確認された。

これまでクマの目撃や痕跡情報は山あいに近い場所に集中していたが、今回は山すそから約20キロ離れた河口付近で確認され、クマの活動範囲の広がりに警戒が高まっている。

「県内どこでもクマが出没する可能性」

立山カルデラ砂防博物館の白石俊明さんは、「神通川支流の井田川や、呉羽丘陵などの緑地帯などを経由してきた可能性が考えられる。さまざまなルートが考えられる」と説明する。同博物館によると、高岡市ではクマが30分で2キロ移動した記録があり、2010年には今回痕跡が見つかった草島よりさらに海側の海岸通りの砂浜で釣り人がクマに襲われ軽傷を負う事態もあった。

「クマは大型獣。移動能力に長けている。県内どこにいてもクマが侵入する可能性を想定して、みなさんに備えをしていただきたい」と白石さんは注意を呼びかける。

地域に広がる不安

地域の晴雲幼稚園では、保護者へ一斉メールで注意喚起を行い、園児の外出を控えている。神保寛明園長は「どうしましょう。切らないといけませんか?子どもたちが楽しみにしているどんぐりの木」と、クマの食料ともなるドングリの木の伐採も検討している。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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