高市首相は7日、衆院予算委員会の準備のため同日午前3時から首相公邸で勉強会を開いたことについて、「秘書官、SP(警護官)さん、ドライバーの方にはご迷惑をかけたと思っている」と陳謝した。

立憲民主党の黒岩宇洋議員の質問に答えた。

黒岩氏は、「100人規模の皆さんが待機していると聞いた。省庁の職員の中には答弁を作成してそのまま徹夜の方もいらっしゃると思う。総理のレク(レクチャー=勉強会)という行動で、大変多くの方に大きな影響を与えたことは事実だと思う」と指摘した。

高市首相はまず、これまで閣僚を務めた際も含めて「役所のレクチャーは受けていない。答弁書をいただいて自分で読む」と述べ、「職員を待機させてのレクチャーはこれまでも受けていない」と強調し、今回の勉強会によって100人規模で影響が出たとの指摘については否定した。

そして、自身の勉強会を午前3時から始めた事情について、衆院予算委員会前日の6日夕方時点で事前質問がそろっておらず省庁が作成する答弁書も全く出来ていなかったとして、「(答弁書が)できあがる時間が概ね午前3時頃だろうという話で、3時に首相公邸に行った」と説明した。

そのうえで高市首相は、首相公邸で勉強会を行った理由について「首相官邸に行くと、警護などたくさんの職員が出勤しなければならなくなる」と述べて周囲への影響に配慮したことを示しつつ、「手伝ってくれた秘書官、議員宿舎から首相公邸までついてきてくれたSPさんとドライバーの方にはご迷惑をかけたと思っている」と陳謝した。

黒岩氏が、危機管理の観点からも高市首相の健康のためにも、議員宿舎から首相公邸へ一日も早く引っ越すべきだと指摘したのに対して高市首相は、就任早々から海外出張が続いてそのまま衆参の本会議に突入し、近々再び海外出張の予定があり時間が取れない状況であることを明かした。

そのうえで、「一連の日程が落ち着いたら、なんとか引っ越ししたい」と表明しつつ、「荷造りの暇がないどころか、睡眠時間もほとんど取れていないような状況で仕事をしている」と述べ、理解を求めた。

自民党総裁選挙で勝利した際に語った「ワークライフバランスという言葉を捨てる。働いて働いて働いて働いて働いて、まいります」との決意を行動で示すような高市首相の仕事ぶりに、国民民主党の榛葉幹事長は7日の会見で、「さすがに朝3時からはしんどいと思うよ。俺、夢の中だったもん。その時間に総理が頑張っていたと思うと申し訳ない」と感想を述べた。

一方で榛葉氏は、世界各国の指導者が朝に受けるのは安全保障や危機管理に関するレクチャーだと指摘し、「日本では国会答弁のレクチャー。これが日本の国会の現実だが、こういったものを変えないといい仕事ができない」と、国会改革の必要性を訴えた。

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