北海道・東北地方を中心に、クマによる被害が相次いでいる。環境省によると、2025年度、クマに襲われて亡くなった人は全国で12人(10月30日時点)にのぼり、過去最多となっている。こうした状況を受け、宮崎市で鳥獣被害対策製品を製造・販売する企業では、クマの捕獲用に檻の問い合わせが急増している。

本来はイノシシ・シカ用の檻に問い合わせ急増

宮崎市の「イノホイ」は、動物による農業被害対策として、罠や檻などを販売する企業だ。本来イノシシやシカの捕獲に使用する檻が、2025年の春ごろからツキノワグマの捕獲用として問い合わせが増え、売れているとう。

イノホイ 福士憲吾さん:
クマの被害も増えていたり、目撃情報も増えている中で、例年から比べて120パーセント(約1.2倍)くらいで推移していっているような感じ。猟友会に所属されていたり、有害の駆除資格を持っている方からのご注文になると思う。

同社が販売する檻は、幅と高さが1メートル、奥行きが2メートルで、体長約100センチから150センチのツキノワグマの捕獲が可能だ。

福士さんは、一般的にクマ用の檻は15万円以上するが、イノホイが販売するイノシシ・シカ用の檻は約7万円と、半額以下で購入できるため、問い合わせが多いのではないかと話していた。
撃退スプレーも欠品状態

イノホイではクマ用の護身グッズも販売しており、特に撃退スプレーの売れ行きは、前年の約1.5倍に増加している。

現在、撃退スプレーは欠品状態となっており、春先まで入荷はない見通しだ。
福士さんは、「そもそも僕らの仕事自体が農作物の被害を減らしたりというのをメインにやっているが、クマは人への被害というのが出ているので、そういったことが少なくなるように少しでも寄与していきたいなと思っています」と、被害軽減への願いを語った。
(テレビ宮崎)
 
       
       
         
         
        