宮崎駅と中心市街地を結ぶ宮崎市の高千穂通を「憩いの空間」として活用する取り組みが進んでいる。1月、県内外の学生が企画・運営を手掛けるイベントが開催された。国の「ほこみち制度」を活用し、中心市街地の活性化を目指すこの実証的取り組みは、通りを単なる通行路ではなく、人々が滞在し賑わいを創出する場へと変えることを目的としている。学生たちはイベントで得られた知見を基に、高千穂通のさらなる活用に向けた課題をまとめ、制度の有効活用に向けた活動を続ける方針だ。
学生の手で通りに賑わいを
宮崎市高千穂通を憩いの空間として活用するため、1月24日、学生が企画・運営を手掛けるイベントが開催された。
その名も、「大学生と協働して進める高千穂通り利活用促進事業-高千穂通 まちなか茶会- 「通るだけの道」から、「誰かと出会う場所」へ。
佐々木六華アナウンサー:
このイベントは、こちらの空間を通行する道としてだけでなく、人々が滞在し賑わいを生む場とするための実証的な取り組みです。

高千穂通では、歩道でのテラス営業を可能とする、国の「ほこみち制度」を活用し、中心市街地の活性化につなげる取り組みが進められている。今回のイベントはその取り組みの一環として開催された。実際の利用シーンを想定したイベントを通して、今後の整備や占用制度等の反映に役立てることを目的としている。

通りではお茶やお菓子の販売が行われたほか、複合施設HAROW高千穂通の「&Labo by UMK」には、急須でお茶を淹れる疑似体験できるゲームコーナーが設けられた。

今回実施されたイベントは、以下の9つ。
・お茶・お菓子の販売コーナー
・「急須でお茶を淹れる」疑似体験ゲームコーナー
・急須で淹れる美味しいお茶淹れ体験コーナー
・ごったん体験コーナー
・まちなかラジオ
・まちなかコンサート(JAZZ演奏)
・高千穂通アンケート
・お茶アンケート
・みやざき産業祭スタンプラリー チェックポイント
学生たちの手で企画・運営
イベントの企画・運営は、県内外の大学生や高校生、あわせて14人が担当した。10月にチームを組み、企画案を練り上げ、企業や団体に協力を依頼しながら内容を具体化。12月には会場レイアウトを作成し、広報活動も自分たちの手で行って、当日を迎えた。
宮崎大学地域資源創成学部3年 竹内美結さん:
平日などは通勤の方が通るだけ、ということが多いと思うので、高千穂通が「立ち止まってもらえるような場所」にできればと思います。
報告会でイベントを総括
イベントではアンケートを実施したほか、滞留時間や回遊動線などのデータも収集。学生がイベントを通して感じた高千穂通活用の課題をまとめた。
イベントから約1か月後、学生たちによる報告会が開かれた。学生たちは写真を交えて当日の様子を振り返り、総括した。
アンケートの結果、来場者の反応は「滞在時間が伸びた」「気軽に立ち寄れる」「ついでに参加できた」という好意的な意見が多く寄せられ、街中での実施ならではのメリットを生かせたようだ。
評価が高かったポイントとしては、「自転車が分離されているのでストレスなく歩行できる」「人が多すぎず、子どもも安心して参加できた」「学生主体の運営が新鮮で応援したくなった」「寒い日でもお茶と音楽で居心地が良かった」などが挙げられていた。
オフィス街という立地特性の中で“通行と滞在のバランスが取れた状態”という「ほこみち制度」の趣旨に沿った状態を実証できたようだ。
学生たちは確認できた効果として、「通りが一時的に“居場所”として機能した」「文化体験 × 滞留の相性の良さを確認できた」「まちなか回遊が発生した」などを挙げた。今後に向けては「空間ルールの認知・サイン等による利用理解の促進」「季節や時間帯に応じたコンテンツ設計」「継続実施による日常的な通りの価値創出」などの意見が出された。
今回のイベントは、単なる催し物としてだけでなく、新しい地域利活用制度の可能性を探る重要な試金石となった。学生たちが自ら企画・運営することで、若者の視点から地域の魅力を引き出し、新たな価値を創造するモデルケースとなることを期待されている。イベントを通じて得られたデータや知見は、今後、宮崎の地域活性化に向けた施策の検討材料として活用される見込みだ。
(テレビ宮崎)
