フラワー長井線を運行する山形鉄道は、厳しい経営状況の中、路線の存続を目指してクラウドファンディングを始めた。当初、目標とした250万円をすでにクリアして、金額を600万円に引き上げてさらなる支援を呼びかけている。
山形鉄道・フラワー長井線は、旧国鉄長井線から数え100年以上運行している地域の重要な路線だが、人口減少が進み利用者が年々減っている。
2025年3月にはネットバンキングによる不正送金被害が発生。
さらに、3月末までに複数の運転士らが退職し、4月からは減便を余儀なくされるなど、経営をめぐる状況は厳しさを増している。
こうした状況を乗り越え、地域の鉄道を未来へ残していくため、10月3日からクラウドファンディングを始めた。
当初250万円を目標に募集を始めたが、10月14日に早々と目標額を達成。
現在は目標を600万円に引き上げて募集を続け、28日の時点で400万円に迫る勢い。
(山形鉄道・樋口和久専務)
「長井の地を離れ、遠くで『懐かしの長井線を何とか残したい』と思ってくれる人がたくさんいると実感している」
返礼品として、宮内駅の名物駅長だったウサギの「もっちぃ」のイラストがデザインされたTシャツや、長井市の名産品・オリジナルデザインの「けん玉」などが用意されている。
中には“10万円で約2時間の貸し切り列車を運行できるコース”などもあり、すでに申し込みがあったという。
こうしたさまざまな返礼品の効果もあってか、置賜ゆかりの人にとどまらず、多くの鉄道ファンの注目を集めている。
(山形鉄道・樋口和久専務)
「長井線を未来の子どもたちに託すという思い。継続して、途絶えさせてはならないと社員一同思っている」
クラウドファンディングは2025年12月30日まで続けられ、寄せられた資金は運転士の採用・養成などにかかる費用などに充てることにしている。