町を二分した選挙で、“影武者”疑惑が浮上です。
8月に行われた大郷町長選期間中に、石川町長本人ではない、支援者の男性がタスキをかけて街頭に立っていたとして、刑事告発されていたことが、関係者への取材で分かりました。
記者リポート
「町長の名前が書かれたタスキを掛けた男性が立っていたのが、この場所です。選挙期間中、後ろは選挙事務所、そして目の前は幹線道路となっていて、多くの町民の目に留まる場所とも言えます」
選挙期間中に、町民が撮影したという写真。タスキに「石川よしひこ」と候補者の名前が書かれていますが、別の人物です。
実際に石川町長が着けていたタスキと見比べると…同じものに見えます。
8月に行われた大郷町長選挙では、現職が推進していた「スマートスポーツパーク構想」の是非が争点となりました。
人口減少が進む中、東日本台風で被災した町内の農地を町が購入し、サッカーグランド12面などを整備して人を呼び込み、町おこしを図ろうという計画です。
財政の懸念などから町を二分する議論が生まれていた中…。
構想見直しを訴えていた石川町長が514票差で現職を破り、初当選を果たしたのです。
この選挙をめぐり本人に代わって、他の人物が立っていたという“影武者”疑惑…告発状によりますと支援者の男性は、町長選期間中の8月30日午前7時40分ごろから約20分間、町内の路上で候補者の名前が書かれたタスキを着用して掲示したということです。
告発した町民は、「選挙中1本しか使用されないタスキを、男性がかけているということは、石川町長が使用を許可したと考えることが合理的である」として、2人が公職選挙法違反にあたるとしています。
石川町長に画像を見てもらうと、タスキをかけていたのは後援会の男性であり、把握していなかったという趣旨の回答がありました。
大郷町 石川良彦町長(Q.違反の認識は)
「違反は違反なんでしょうね…これ(選挙)事務所の前。これは大変なこと、大きいことかなと」
タスキをかけていた男性にも話を聞くと…。
タスキをかけていた男性
「誰が持っていたって、事務所にあったから、ただ思いつきで着けた。自分の本当の思い付き」
Q.違反になるという認識
「ない、ないない」
スマートスポーツパーク構想を推進し、選挙で敗れた田中学・前町長は。
田中学 前町長
「政策を本位にしている田中からすれば、有権者の目をごまかすような、そんな選挙であってはいけない」
選挙期間中、毎日自宅にタスキを持ち帰って管理していたとも話しました。
捜査関係者によりまと、県警は10月28日までに告発状を受理したということで、警察の捜査が進められることになります。