新米シーズンを迎えても価格の高止まりが続くコメの話題です。
生産量を増やそうと「再生二期作」に取り組んできた農家では、今年2回目の収穫時期を迎えています。
ふっくら炊き上がったつやつやの白米。
ここ1年ほど「令和の米騒動」として騒がれてきましたが、最新の全国のスーパーでの平均のコメ価格は5キロ4251円と、依然として高止まりの状態です。
こうした中、福岡県大川市のコメ農家がコメの生産量をあげようと、今年はじめて取り組んだのが「再生二期作」です。
再生二期作は1度目の稲刈りを終えた後、その株を再び育て、同じ稲から2度目を収穫する栽培方法です。
◆中八院ファーム 田中和典さん(7月取材時)
「再生二期作をしたら新しい機械はいらない。ただ田植えを早くすればいいだけのこと」
7月に取材した際に、こう話していた田中さん。
今年は例年より早い5月に田植えをして、8月下旬に1度目の稲刈りを終え、さらに11月上旬には2度目の稲刈りをする予定です。
田中さんにとって初めてとなる再生二期作。
2度目の育ち具合はどうなのか、稲刈り間近の田んぼを再び訪ねました。
◆中八院ファーム 田中和典さん
「見てもわかる通り、ばらつきがあるでしょ」
一見、背丈も高くなり、稲穂もしっかりと垂れているようですが、初めて挑戦する再生二期作に課題も見えてきたといいます。
◆中八院ファーム 田中和典さん
「刈り取りの時の高さですよね。できるだけ高く刈った方が茎もいっぱい出てくるし、生育も早いという感じは受けた」
一度目の稲刈りの際、再生二期作の栽培方法にならって通常の稲刈りよりも長く茎を残して刈りましたが、地面から30センチの高さで刈ったものより、40センチの高さで刈ったものの方が生育がよいと話します。
当初は1回目の稲刈りの半分ほどの収穫量を見込んでいると話していた田中さん。
実り具合について聞くと…。
◆中八院ファーム 田中和典さん
「これだとおそらく(1回目の収穫の)半分はいかない。初めてにしてはいい方かな」
田中さんの当初の見込みよりは少なく、1回目の3割ほどになりそうだということです。
それでも新たに田植えをせず手間を省いてコメを増産ができることから、満足している田中さん。
来年は規模を今年の30倍に拡大し、再生二期作に取り組みたいということです。
高市政権は増産方針を撤回
そして、高市新政権となってコメの生産をめぐってさっそく動きがありました。
増産を進めた石破前政権のもと今年の収穫量の見込みは748万トンとなっていますが、政府は来年2026年産の生産目安を711万トンと示しました。
石破政権が8月に表明した増産の方針を発足したばかりの高市政権が3カ月足らずで撤回した形です。
価格を抑える「消費者寄り」のスタンスから「生産者寄り」にシフトしたと言えそうです。