10月27日、日本に向かうエアフォースワンの中で、トランプ大統領が語ったのは、「米朝首脳会談」への意欲。

この記事の画像(8枚)

トランプ大統領:
彼が会いたいならぜひ会いたい。私は金正恩氏ととても気が合った。
もし金正恩氏が会談を希望し、私が韓国にいるなら、すぐに行くことはできる。滞在の延長は簡単だ。

突如として浮上した、北朝鮮・金正恩総書記とのサプライズ米朝首脳会談の可能性…。

28日には、日本で拉致被害者家族との面会も果たし、「拉致問題解決へ尽力する」と述べたトランプ大統領。
ホワイトハウス高官は、今回の外遊に米朝首脳会談は含まれていないとしていますが、6年ぶりの会談の可能性はあるのでしょうか。

米国政治に詳しい、キヤノングローバル戦略研究所の上席研究員である峯村健司氏は…。

峯村健司氏:
日程的には相当厳しい、韓国(滞在期間)は短いですし、ホワイトハウスが否定しているので普通に考えたらゼロなんですが、トランプ氏を見るときはサプライズが絶対にあると思った方がいいというところがひとつと、昨日トランプ氏に同行してワシントンから来ている記者二人と会ったのですが、二人とも帰りのチケットを2枚買っているんです。
つまり、普通に帰るチケットと、仮に板門店などで会った場合に少し遅れて帰るチケットと2枚とっていると。
(このことから)私は結構…15%くらいはあると思っています。

谷原章介キャスター:
会談するとなればそれぞれ思惑あると思いますが、米国側・北朝鮮側それぞれ目指しているのは?

峯村健司氏:
米国はまず、「平和協定・非核化」。皆さん忘れがちですが、北朝鮮はまだ韓国と戦争状態なんです。米国が率いる国連軍は横田基地にありますので。それを終わらせて、平和協定をしたいというのがトランプ氏の狙い。
北朝鮮側も、実はトランプ氏には非常に期待をかけていて、私は2018年に平壌に行きましたが、そのときに会った北朝鮮の当局者の人たちが言っていたのは、「トランプ氏のときこそ、平和協定や国交正常化するチャンスである」と。
そういう意味では“相思相愛”なのかなと見ております。

ノーベル平和賞への“思い”

峯村氏によると、トランプ氏が米朝首脳会談の実現に意欲的な理由として、「ノーベル平和賞」に対する思いもあるのではないかといいます。

峯村健司氏:
トランプ氏の「戦争をやめたい」という思いは、これは本物だと思います。一期目の時も、とにかく北朝鮮問題を解決したいと、今非常に緊張状態になっているからとかなり対話には前向きだったんです。だけれども、いきなり対話してもすぐにはうまくいかないからと、当時の安倍元総理が「安易な妥協はダメだ」と説得して、なんとか空母を派遣したり圧力をかけた形で対話をしたと。
そういう意味では、金正恩氏との対話をすごく望んでいますし、平和にしたいという思いは本当だと思います。

――ノーベル平和賞が欲しいというのは、純粋な思い?
半分純粋、半分不純だと思っています。純粋なところでいうと、一期目の時から本当に「欲しい」と言っていると。ところがその欲しい理由が不純だと思っていて、一期目の時の高官になぜ欲しいのかと聞いたら、トランプ氏の知人が「これまでのノーベル平和賞の受賞者で刑務所に送られた人はいない、だからあなたは取るべきだと」言ったと。
今、トランプ氏はいろいろな罪に科せられていますので、ここでノーベル平和賞を取ればその罪がチャラになると、本気でそう思っている節はあります。それが不純の方ですね。

――拉致被害者の帰国が実現するために日本ができることは
今回、米国側から比較的後押しをしてもらっていることと、日本も独自のパイプを動かして、水面下の話ですね。今はだいぶ細くなってきていますよね…。ただ、まだチャンスはあると思っていますし、金正恩氏も日本との国交の正常化にはかなり関心があると側近の方が言っていたので、そこはまだチャンスが残されていると思います。
(「サン!シャイン」 10月28日放送)