「地球上最悪」との異名を持つ水草が全国各地で猛威を振るっています。岡山県矢掛町では10月27日、町ぐるみで駆除作業が行われました。
(長尾龍希アナウンサー)
「岡山県矢掛町に来ています。私の隣には川があるんですが、水面は草でおおわれています」
その植物の名は「ナガエツルノゲイトウ」。一見するとただの水草ですが、その高い繁殖力と再生力から「地球上最悪の侵略的植物」とも呼ばれています。
南アメリカ原産の外来種で、川や用水路などに生息。夏になると爆発的に増え、在来種を駆逐して、生態系を破壊するだけでなく川や用水路の水の流れを妨げ、洪水を引き起こしたり、田畑に繁殖して農作物を覆い、生育不良を生じさせるなどやりたい放題で、環境省の指定外来生物に指定されています。
ナガエツルノゲイトウによる被害を防ごうと、27日、岡山県が専門家を招き、地元の人たちも参加して見つかった川の上流で駆除作業を行いました。
周辺の土砂ごと根こそぎ取り除こうとしますが、そう簡単にはいきません。
(長尾龍希アナウンサー)
「ナガエツルノゲイトウの驚異的な繁殖力の秘密はこの茎にあります。非常に折れやすいんですがこの節ごとに生えた根。ナガエツルノゲイトウは茎が折れたところから根を張り、繁殖することができるんです。この節が種とも言えるんです」
ナガエツルノゲイトウは、北は福島、南は沖縄まで全国29の都府県に広がり、中国・四国地方でも生息域を拡大させています。
専門家は被害を防止するにはまず気付くことが大切だと指摘します。
(ルイ・バストゥール医学研究センター 中井克樹特任研究員)
「ある段階を超えた途端に、どっと被害が出る性質があるので、気付かれない潜伏期にトラクターなどで田んぼいっぱいに広がってしまうことも起こりうる。気付いたら同時多発的に問題が起こりかねないので、できるだけ早く気付いてそれなりの対応をしてほしい」
県は、ナガエツルノゲイトウを見つけた場合は不用意に刈ったり抜いたりせず、自治体に連絡するよう呼びかけています。