「こういう風にさ、グルの意思、というかまぁ私の意思は色々示されているわけだけどさ」
「要するに私は、2代目の教祖になるわけだよね」
信者に対して、教え諭すかのように語りかける男性。無差別テロを起こしたオウム真理教の教祖・麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の次男の肉声とされるものだ。
元教祖の実の子が、本当に2代目の教祖になろうとしているのか。FNNが独自入手した過去の音声をもとに、発言の主が本当に次男なのか、音声鑑定を試みた。
オウム後継、いまも信者1000人超
いまから、30年前の1995年。
死者14人、負傷者6000人以上という、犯罪史上、類を見ない無差別テロ・地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教。

教祖の松本元死刑囚は首謀者として、死刑が執行されたが、信者らは「アレフ」などの団体で、いまも活動を続け、その数はアレフで1180人に上るという。
アレフは近年、幹部数人が、共同で信者らを率いてきたとされたが、2025年7月、公安調査庁が、10年余り前に水面下で大きな変化が起きていたと発表した。
「松本元死刑囚の次男が、グル(宗教指導者)を自称し、2014年ごろから、教団の組織運営を主導している」
そして、公安審査委員会も主導しているかなどには言及しなかったものの、次男が「役職員」であると初めて認定した。

2代目教祖を自称
FNNは今回、これらを裏付けるような教団内部の複数の音声ファイルを入手。そこには、次男とされる人物が「二代目教祖」を名乗る肉声が記録されていた。

「で、こういうふうにさ、グルの意思、というかまあ私の意思はいろいろ示されてるわけだけどさ、みんなぽけーっと聞き流すんだよね」
「オウム真理教の教義みたいな観点で考えた場合さあ、要するに、わたくしは2代目の教祖になるわけだよね」

次男とされる人物は、自らが二代目教祖にあたる理由として、父の松本元死刑囚が生前に次男を「宗教の王」、長男を「現世の王」、妻を「宗教の後見人」として、当時の幹部に託したと説明していた。

