反対するものはパージされた

一体、アレフで何が起きているのか。

オウム真理教は「アレフ」に名前を変えた後、「ひかりの輪」と「山田らの集団」が分派していますが、元幹部の上祐史浩氏(現「ひかりの輪」代表)は、元信者から聞いた話としてこう語った。

上祐史浩氏:
(次男に反対する者は)だんだん辞めてったり、要するに、パージされたりしてったってことで、イエスマンが集まりつつあるということだと思います

また、アレフが一連のオウム事件の被害者への賠償金の支払いをやめたのは次男の意向だった、と公安審査委員会が認定したことについて…。

上祐史浩氏:
最高幹部は、次男との話し合いで賠償をせずに資産を隠して不報告するのに反対をしてた。次男のもの(方針)だと認定してますが、その根拠は十分あると思う。

血縁による支配

さらに、被害者支援に取り組んできた弁護士は、こう警鐘を鳴らしている。

中村裕二弁護士:
血縁関係者ということですから、統率力、求心力、信者に対するパワーは非常に大きいものがあって、麻原みたいに鶴の一声で犯罪行為をもし指示することがあれば、それに従うような危険もある。

また、次男の意向で、賠償金の支払いを止めたとされることについて、強く批判した。

中村裕二弁護士:
アレフ側は当初、自分たちはその損害賠償の義務を果たし尽くすんだということを存在目的として立ち上げられた団体。全くそれとは真逆な矛盾した態度をとって、被害者遺族に対する支払いもしていない。
後遺症で苦しんでいるために生活が苦しくなってる方もいて、皆さんのすぐ隣にいる被害者遺族の方々に、ぜひ支援の手を差し伸べてほしいと思います。

かつての教祖の血を引く次男のもと、本来行うべき反省と償いに背を向け始めたとみられるオウムの後継団体。

私たちは、引き続きその動向を注視していく。

(「イット!」10月27日放送より)

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イット!
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