石破前首相は27日、地元・鳥取県の県庁で記者会見し、約1年の任期を振り返った。去年10月の就任直後に衆院を解散し、総選挙を行ったことについて、「非常に痛恨事。ものすごく辛かった」と語った。
石破氏は、去年の自民党総裁選の際、十分な国会論戦を行った上で衆院を解散する方針を掲げていた。しかし、首相就任後に一転、予算委員会などを行わず解散した。
早期解散の経緯について、「与党で『今すぐ解散しろ』という要望が非常に強くて、党首討論の時間をなんとか80分にするのが精一杯だった」と説明。
「非常に痛恨事と言っていい。やはりそれで不信も高まったし、ものすごくつらかった。与党で政権が成り立っている以上、与党の強い要望に抗うのは非常に難しかった」と述べた。
その上で、「私としては、やはり予算委員会をきちんとやるべきだった。(石破政権の)冒頭から残念なことだった。せめて党首討論3時間ぐらいやりたかったというのはある。自分の責任だ」と述べた。
記者から「もう1回首相を務めてみたいか」と問われ、石破首相は、「私が首相をやる時は、四海波静かな時であるはずがない。そういう厳しい状況で『お前がやれ』という時に、『私はできない』と言ってはいけない。衆院議員でいる間は当然だ」と述べる一方、「自らなりたいと求めてなるものだとは全く思わない」と回答した。
石破前首相が地元・鳥取を訪れるのは、退任後初めて。自身の今後の政治活動について、「首相を経験した者として、鳥取、山陰が良くなるということが新しい日本を作るんだという思いのもとで、今後も取り組んでいきたい」と語った。