24日朝に発表された9月の消費者物価で、コメの高値水準が続く実態が改めて浮き彫りになりました。
一方、鈴木農水相は22日の就任会見で、備蓄米放出に代わる秘策を発表しました。
鈴木農水相:
今回の備蓄米放出にあたって、一番の課題は何だったのかといえば、残念ながら消費者の皆さんに届くまでになかなか時間がかかり過ぎなんじゃないかという、当然ご批判があった。実例を申し上げれば、いくつかの自治体でお米クーポン・食品バウチャーを配ったり、そういう対応をしている自治体もありますし、しっかり検討してまいりたいと思います。
物価高対策の1つとして明かしたのは“おこめ券”の導入です。
9月の消費者物価指数では、2024年の同じ月と比べたコメ類の上昇率が49.2%となり、コメ価格の高止まりが続いている状況です。
こうしたなか、24日朝の会見でも鈴木農水相は“おこめ券”の導入を早期に実現させたい考えを示しました。
国によるおこめ券の配布について街で話を聞くと、「とてもありがたいので大歓迎です」「早く配られるって聞いたので、すぐ対応してもらえるのがいいかな」という賛成意見や、「現金いただけるなら現金。現金だと子どものオムツとかにも使えたり」「券を作るコストとかお店の負担が増えると思う。現金というか券じゃない方がうまくいく」という反対意見がありました。
ここからは、スタジオからSPキャスターの柳澤秀夫さんとお伝えします。
宮司愛海キャスター:
さらに、2万円の現金給付に変わっただけといった意見も聞かれましたが、このおこめ券どう思いますか?柳澤さん。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
もともと、令和のコメ騒動ってコメが足りなくて値段が上がったじゃないですか。おこめ券を出しておコメがたくさんとれるんだったら苦労しないですけど、ちょっと現実とずれてる感じがしますね。
宮司愛海キャスター:
農政改革、どうなるんだと。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
農政そのものが問われていると思います。
木村拓也キャスター:
独自の支援策としておこめ券を配布する自治体もあるんです。東京・台東区では1世帯につき4400円。18歳以下がいる世帯だったり3人以上の世帯には8800円のおこめ券を24日から順次配送を開始したということです。
宮司愛海キャスター:
そして、台東区のおこめ券取扱店となっているおコメ店を24日に取材しました。
東京・台東区に行ってみると、おこめ券使えますとのぼりが出ていました。
取扱店舗の1つ「高坂米店」の店頭には、2025年の新米が並んでいました。
現在のコメ価格について、高坂米店の高坂店長は「高いですね。3~4年前と比べると3倍くらい。少し(コメ価格が)下がる気配があったんですけど、大臣が代わりましたね、新しい大臣。来年の作付けを早速減らすと、前大臣の方針と変わりましたね。この高値で維持されるかなと予想しています」と話しました。
農水相が代わったことによる方針転換に疑問を呈しつつも、区のおこめ券配布については期待を持っていました。
高坂米店・高坂店長:
いま新米おいしいですから、皆さんにいっぱい食べていただきたいので、こういった政策はいいと思います。多分(客が)増えるんじゃないかな。仕入れの方も少し多めにおコメ積んでる。
台東区民はおこめ券配布についてどう思っているのか話を聞くと、「私も貧乏生活だからありがたいと思うも、将来的に今の子どもたちのことを考えると、そんなんで財政つかっていいの?って両方」「おこめ券配ってもらえばうれしい。現金ってちょっとやらしい感じがするよね。おこめ券だと少しやわらかい雰囲気があるから。(Q.おこめ券と現金どっちがいい?)現金」など、歓迎の声の一方で、おこめ券では根本的な解決にはならないのではという声も聞かれました。
高市政権、物価高対策を最優先としていますが、その手腕が早速問われることになりそうです。