10月11日・12日の2日間、「もちの聖地」とも言われる岩手県一関市で、全国もちフェスティバルが開かれました。
目玉は国内最大級という3万個の「もちまき」です。一関市の秋を象徴するイベントは大いに盛り上がりました。
一関市で開かれた全国もちフェスティバルは、2025年で14回目を迎えた秋の人気イベントです。
恒例となっている「もちまき」は、今回過去最多となる3万個が使われ、会場に集まった数百人が次々と飛んでくるもちをつかみ取っていました。
参加者からは「すごく楽しかった。いっぱい取れてよかった。去年より多くみんな取れていたと思う」などの声が聞かれました。
実行委員会 松本数馬委員長
「おかげさまで毎年パワーアップしている。去年は2万個だったが、今年は3万個ということで1万個増えた」
用意された3万個のもちは、すべて一関市内で生産されたもち米を使って作られたものです。
もちを作ったのは、一関市内に工場がある2つの製菓会社です。
このうち、千葉恵製菓ではつきたての柔らかいもちを食べてもらいたいと、イベントの前日に機械をフル稼働させて2万5000個を製造しました。
2025年はもち米の仕入れ価格が2024年の2倍になっているほか、猛暑の影響による収穫量の減少も重なり、材料の確保に苦労したということです。
千葉恵製菓 佐藤均専務
「非常に、数的には大変だった。色々な味付けでおいしく食べてほしい」
もちまきは2日間のイベントで4回行われるため、1回でまくもちの数は7500個です。
「まき手」のもとには、追加のもちが次々と運ばれてきます。
もちの「まき手」には公募で選ばれた市民も参加していて、近くにいる子どもたちには優しく、遠くで手を振る人たちには力いっぱいもちを投げていました。
まき手で参加した人は「楽しかった。みんなに1個ずつ配れればいいなと思いながらまいた」と話していました。
また会場では、県の内外から集まった23店舗がオリジナルのもち料理などを販売していて、訪れた人たちは、様々にアレンジされたもちの魅力を楽しんでいました。
実行委員会では「もちのまち一関」を全国にアピールしようと、イベントの規模拡大も目指しています。
実行委員会 松本数馬委員長
「もちの数を増やすことは難しいが、柔らかいもちをまくイベントとして、日本一を目指したい」
かつては来場者を呼び込む「きっかけ」の一つだったもちまきが、いまではイベントの主役になっています。
3万個のもちが舞う光景は、一関市の秋を象徴する新たな風物詩となりそうです。