10月31日に開幕する春の高校バレー県大会の注目校、女子の花巻南。
小学校から3年間一緒にプレーしてきた姉妹を柱に26年ぶりの優勝を狙います。
女子の第2シード、花巻南は、1月の新人戦と5月の県高総体で準優勝している強豪です。
2025年の花巻南は、サーブやレシーブといった基本を徹底的に磨いてきました。
試合形式よりも基礎の練習を大事にして、とにかく「拾う」「つなぐ」の意識を高めています。
コートの幅と同じ9mの距離でパスをしてからダッシュする「移動ロングパス」では、技とスタミナ、さらに精神面も鍛えています。
ボールをつないだ先、攻撃の柱となるのは、3年生でキャプテンのアウトサイドヒッターの山本愛莉選手です。1年生のときからレギュラーで攻撃の要です。
対角線よりネット側に打つインナースパイクを得意としています。
花巻南3年 山本愛莉主将
「みんながつないでくれたボールをしっかりつないで勝利に導いていきたい。後衛だったとしても、しっかり守備でチームを盛り上げる1本を出せるよう頑張る」
同じコートには1歳下の妹・山本莉奈選手(2年)がいます。身長173cmと高さのあるミドルブロッカーです。
どの位置からでもスパイクを打てる安定感のある攻撃に定評があります。
小学校低学年から同じコートに立ち、ライバルでもあり最大の親友でもある2人。
姉の愛莉選手は高校でバレーをやめると決めているため、この春高が姉妹で全国に行ける最後のチャンスです。
花巻南2年 山本莉奈選手
「つらいことや苦しいこと、楽しいことも一緒に乗り越えてきた一番近くにいてくれた存在なので、結果で恩返しできるよう頑張る」
チームに欠かせないムードメーカーが高橋音々葉選手(3年)です。
持ち前の明るさで空気をがらりと変える力を持つリリーフサーバーです。
そして、その人間性も信頼を集めます。2025年3月には大規模な山林火災に見舞われた大船渡市を支援しようと募金活動を提案するなど、広い視野でチームを引っ張っています。
花巻南3年 高橋音々葉選手
「試合で空気が落ちているときは『ハッピーウイルスばらまくぞ!』と言って、(盛り上げを)仕事として任されている」
新人戦と高総体では決勝の常連となっている花巻南。
しかし、春高では2020年を最後に決勝進出はなく、4年連続でベスト4にとどまっています。
花巻南3年 山本愛莉主将
「厳しい声かけを行いながらしっかり仕上げて、決勝の舞台で全員が笑って終われるよう頑張っていく」
最後にかける姉妹の特別な思いと“ハッピーなチームの絆”を力に、26年ぶり2度目の全国切符を狙います。