各地で相次ぐクマの被害。山形県では、ニワトリ小屋にクマが侵入した。
クマ被害有効な対策が見えず、日々、不安だけが広がっている現状の中。さらに見ごろを迎えた紅葉スポットでも警戒が高まっている。

ニワトリ小屋で食い荒らし…各地でクマ被害相次ぐ

24日朝の岩手・西和賀町の国道では、車で走っていた男性がまさかの事態に叫び声を上げた。

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男性:
あ、ああクマ!!あ、子グマ!

前方を横切るクマの姿に驚いたその直後、目の前で母グマを追いかける子グマが横切り慌ててブレーキをかけた。

北海道・札幌市では初めてとなる、緊急銃猟によるクマの駆除が行われた。

住宅街に響いたのは2発の銃声。正午過ぎ公園に現れた2頭の子グマ。
同じ公園では23日も2頭のクマが目撃されていた。

札幌市は住民の命に危険が及ぶ恐れなどからハンターに猟銃の発砲を許可する緊急銃猟を道内で初めて適用するため、周辺の通行制限と避難誘導などを実施し、ハンターが2頭のクマを駆除した。

周辺で目撃が相次いでいた2頭と同じかどうか確認を進めている。

山形・小国町ではクマがニワトリ小屋の金網をこじ開けて侵入し、鳴き声を上げるひな鳥をのぞき込むと突然襲いかかった。

渡部要一さん:
何回も来ている。ただ姿を見ていないので、今回カメラで撮っていたら午前2時半ごろ。そういう時間なら人とあまり会わない。賢いな。

21日の未明に撮影された映像では、県のブランド地鶏「やまがた地鶏」のひな鳥34羽が食い荒らされる被害を受けた。

渡部要一さん:
もう(人に)慣れてる。電気柵をやっても、クマが頭が良くてものすごいスピードで突き破ってしまう。

富山・立山町では畑を一目散に駆け抜けるクマの姿がみられた。
立山町では24日午後1時前、住宅街で70代の女性がクマに襲われ病院に搬送された。

目撃者は「いや、ヤバいと思った。自分が四つんばいになるよりもデカい」と話した。

秋田・東成瀬村では午前11時過ぎに男女4人がクマに襲われ、このうち男性1人の死亡が確認された。

この現場近くではクマの目撃情報が相次いでいて、襲われて慌てて車に逃げ込んだという男性は「まき割りしていたら。こわいと思って、おっかない。(クマは)立ち上がって(車を)ぐるっと回った」と話した。

“紅葉スポット”にもクマ被害の影響が…

連日、列島各地で目撃や被害が相次ぐ秋のクマは行楽シーズンを迎えた観光地にも影響が出ていた。

紅葉が深まってきた栃木・日光市。

2025年は2週間ほど前からクマの目撃情報が相次いでいることから、ロープウェーの片道券の販売を中止したという。

例年であればロープウェーを上った先にある登山道を歩き、紅葉を楽しみながら中禅寺湖へ下りることができるが、現在は立ち入り禁止の看板がかかった鎖で登山道が塞がれていた。

担当者は「登山道を閉鎖しているのと、この辺では(クマを)見かけない。安心してきてもらえればと思う」と話す。

観光名所の竜頭の滝でも、たびたびクマが出没し茶屋の建物に被害が出ていた。

龍頭之茶屋・店長:
ゴミ捨て場になるんですけど、これが一応(去年)クマが開けようとして。(Q.この木がちょっとはがれてる部分)ガリガリとやった。あとクマの手のひらこれです。これがまだ残ってる。

竜頭の滝を訪れていた観光客の中にはクマ鈴とスプレーを持参し、クマ対策をしてきたという人もいた。

一体、どんな場所でクマが目撃されているのか現場をたどってみると、多くの車が行き交い、歩道にはハイキングを楽しむ人たちが歩いていた。

もしも、観光客など出先でクマに出くわしてしまったら、どのように対応したらいいのか。専門家は、もしも車に乗っていた場合は、「クラクションは鳴らさないで」と呼びかける。

岩手大学農学部・山内貴義准教授:
車にいる場合は車からもちろん出ないようにする。クラクション鳴らしたり、大声をだしたりして興奮させないというのが一番。できれば車を止めて、通り過ぎるのを待つ。

(「イット!」10月24日放送より)

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