アユなど川魚の卵を狙い、“黒いギャング”とも呼ばれる大型の水鳥・カワウ。
カワウによる食害からアユを守ろうと、鳥取市の千代川で、鳥よけのテグスを張る作業が行われました。
10月24日朝、鳥取市の千代川。
アユの産卵スポットに鳥よけのテグスを張りめぐらせます。
県の栽培漁業センターによると、県内有数のアユの釣り場・千代川では、2011年に約173万匹だった遡上するアユの数が2020年には約1万匹にまで激減。
温暖化などによる環境の変化のほか、カワウによる「食害」の影響とみられます。
そこで、6年前から産卵期を控えた10月下旬ごろ、カワウが狙う産卵スポットに鳥よけのテグスを張る対策をとっています。
10月24日は、千代川漁協や県の職員など約70人が、先端に重りをつけたつりざおと木の杭を使って約50本のテグスを川の水面を覆うように張り巡らせました。
千代川漁業協同組合・永原聡組合長:
テグスを張るとやっぱりカワウが来なくなりますね。入りにくいんですよね、川に。千代川はおいしいアユがとれるところなので、みなさんに喜んでもらえると思う。
こうした対策の効果もあって、千代川では春に遡上するアユの数は回復傾向で、2025年は約109万匹にのぼったということです。
鳥よけのテグスは11月中旬まで設置され、貴重なアユを“黒いギャング”から守ります。