JA福井県五連の宮田幸一会長は、コメの市場価格を下げることを目的に元農林水産相の小泉氏が行った備蓄米放出について「効果はあまりなかった」と言及。一方で新たに農水相に就任した鈴木憲和氏について「コメ政策に精通している」として期待を込めました。
24日に開かれた定例会見で、記者から農業政策が転換を続けることへの受け止めを聞かれた宮田会長は「その時その時で判断をされて農政が進んでいくことに対しては若干疑問もある」とし、コメの市場価格の調整を目的に小泉氏が進めた備蓄米の放出にも言及。「消費者米価を含めて下げるために放出したと思うが、その効果はあまりなかった」としました。
その上で、新農水相の鈴木氏が就任早々、消費者に向けて農家が再生産できる価格への理解を求め、減産も視野に入れた需給調整の方針を示したことについて「コメどころ山形県出身で、農林水産省出身と、本当の“はえぬき”。生産調整やコメ政策に精通している。しっかり状況を踏まえて施策を打ってこられると期待している」と述べました。
備蓄米放出をめぐっては、JA福井県は備蓄米放出に反対の姿勢は維持しつつも、国の方針に従って受け入れることを決めた経緯があります。その背景について宮田会長は当時「1月に備蓄米放出反対と言ったら全国から色んな反響があった。生産者からは『よく言った』と言われたが、消費者からはボロカスに言われた」と明かしていました。
9月には小泉氏の呼びかけで東京での面談が実現し、その際、宮田会長は「生産者米価の安定のため持続可能な農業ができるような環境を」と訴えていました。