高齢者などを対象にした新型コロナワクチンの定期接種が10月に始まりました。
今シーズンは居住地の自治体によって自己負担の金額に大きな差が出ています。
福岡県苅田町の「たじり消化器・肝臓内科クリニック」にも新型コロナのワクチン接種を受ける人が訪れています。
65歳以上の高齢者などを対象に、10月1日から新型コロナワクチンの定期接種が始まりましたが、今シーズンは国の補助がなくなり自治体の補助だけとなりました。
いくら補助するかは自治体の判断に委ねられるため、自治体によって自己負担額に大きな違いが出ています。
◆たじり消化器・肝臓内科クリニック 田尻博敬 院長
「(補助なしで)普通に打とうとすると1万5000~1万6000円くらい。苅田町では3500円」
苅田町では町が1万1000円あまりを負担しているため、自己負担3500円で接種することができます。
これについて新型コロナのワクチン接種をした70代の夫婦は…。
◆70代夫婦
「安いに超したことないけど、まあこのくらいでしょ」
「北九州の人から見ればうらやましいと思われている」
どのように自己負担額を設定したのか町の担当者に話を聞きました。
◆苅田町 保険健康課 北浦善栄 課長
「ワクチンの接種費用の25%前後で計算しました(隣接する)行橋市とみやこ町と京都医師会と一緒に協議して決めました」
県内の新型コロナワクチンの自己負担額は、大任町が自己負担なし、久留米市が6000円、北九州市が7800円などとなっていて、最も自己負担額が大きいのが福岡市の1万2000円です。
福岡市の担当者を訪ねてると…。
◆福岡市 健康危機管理課 高園英太郎 課長
「自己負担がなぜこんなに上がったのかという、とまどい。高いのではないかという声もいただいているのも事実」
新型コロナのワクチンは約1万2000円。
さらに手技料といわれる、いわゆる人件費が約4000円かかりますが、福岡市では高齢者のインフルエンザワクチンの助成と同様、この手技料相当分を助成しています。
◆福岡市 健康危機管理課 高園英太郎 課長
「必要とされる国民すべてが等しく接種できるようにするのが大事。費用は全額国が負担していただくのが本当ではないかと考えている」
新型コロナワクチンの自己負担の地域格差は全国的にも起きていて、福岡市はほかの政令指定都市とともに、国に対し国費による一律の助成を要請しているということです。
去年、新型コロナで死亡した方は3万5000人を超えています。
インフルエンザは2800人程度なので、その数は12倍以上となっていて、新型コロナは今も高齢者や基礎疾患のある人にとってはリスクが大きい感染症となっています。
新型コロナワクチンの65歳以上の自己負担額をみると、県内では大任町だけが自己負担なし、4000円台が26市町村と最も多く、例えば飯塚市や直方市などは4700円です。
そして久留米市が6000円、北九州市が7800円、福岡市が県内で最も高い1万2000円となっています。