高市早苗・新内閣が本格始動しました。『少数与党』『維新との連立』という中で、どのように日本のかじ取りを担っていくのでしょうか。
【高市早苗総理】「『決断と前進の内閣』と命名をさせていただきましたけれども、とにかくみんなでしっかりと意思決定をしたら前に進んでいく。それもスピードを上げて進んでいく。その思いで懸命に働いてまいります」
22日午前、官邸でこのように意気込みを語った高市総理。
21日、皇居での総理親任式と閣僚認証式を経て発足した高市新内閣は、各省庁で新・旧大臣の引継ぎ式を終え、本格始動しました。
連立を組む一方で、大臣としての入閣はなかった日本維新の会について、高市総理は就任会見で次のように言及しました。
【高市早苗総理】「日本を再起させたいとの思いで政策合意までたどり着くことができた。日本維新の会の同志の皆様に感謝を申し上げます。
物価高対策、首都機能のバックアップ体制、また社会保障改革そして憲法改正、両党の政策合意を基礎に共に手を携えて政策実現に取り組んでまいります」
■政権運営の「キーマン」との声もある遠藤国対委員長
「閣外協力」となった日本維新の会からは遠藤敬国対委員長が首相補佐官に就任しています。その遠藤氏、実は政権運営の「キーマン」との声もある人物です。
大阪・高石市出身で現在、5期目。2018年、秋田犬のマサルがロシアの金メダリストに贈られた際、「秋田犬保存会の会長」としてもその姿がありました。
【日本維新の会 遠藤敬国対委員長(2018年)】「ザキトワ選手にマサルちゃんを贈る日がやってまいりました」
維新の国対委員長を長年務めていて、各党に太いパイプを持ちます。
自民・維新の党首会談前には、自民党の梶山国対委員長と会談するなど連立樹立の立役者として水面下での調整を行っていました。
■遠藤国対委員長について「人間関係を構築する魔術師みたいな人」と橋下徹さん
維新の“創設者”橋下徹さんは、遠藤国対委員長について「遠藤さんという、人間関係を構築する魔術師みたいな人が入ってきて」と評します。
記者たちにも自ら話しかけます。
【日本維新の会 遠藤敬国対委員長】「おっ、珍しい顔もいてるな」「キャップなんかありますか?」
そして「議員の定数削減」については…
【日本維新の会 遠藤敬国対委員長】「合意形成、合意形成っていわれますけど、勢いも大事だと思いますからそれも踏まえて協議を自民と維新の会で進めていく」
(Q.どの党によびかけ、いつくらいにまで提出?)
【日本維新の会 遠藤敬国対委員長】「それは皆さんにかけますよ。全党にかけますよ。だめもとで。当たり前じゃないですか」
■これまでのような「選挙区調整は必要ない」吉村代表
一方、大阪に戻った吉村代表は、自民党との関係について、これまでのような「選挙区調整は必要ない」と自身の考えを話しました。
【日本維新の会吉村洋文代表】「これから多党化時代に入りますので、そういった意味では公明党と自民党みたいなガチガチの選挙区調整は、必ずしも連立における必要性はないんじゃないかなと僕は思っています。
将来どうなるかわかりませんが現時点で僕の考え方は選挙区調整必要ないと思っています」
いよいよ動きだした高市政権、どんな「働き方」になっていくのでしょうか。
■「女性がこの国の総理大臣に上り詰めたことは大きな意味」安藤優子さん
初の女性総理の誕生に、ジャーナリストの安藤優子さんは「女性がこの国の総理大臣に上り詰めたことは大きな意味がある」とし、「適材適所の人事かはこれから分かる」と話しました。
【安藤優子さん】「女性がこの国の総理大臣に上り詰めたという風景を見たことは、すごく大きな意味が私はあるというふうに思っているんですね。
社会的なインパクトもあるし、海外に対するメッセージとしてもあると思うんですね。
高市さんの政治信条とこれから政策を進めるやり方とはちょっと私は切り離して見ているわけですよ。
だから女性登用に対して非常に意欲を持っていたけれども、結局は2人に留まった。
閣僚の数として、あっちもこっちも立てていけば足りなくなっちゃいますよね。
もう1つは、女性議員が少ない。切り分けるパイの大きさが、小さかったこともある。
そこからどう高市政権が前に進んでいくのかは、そもそも論をどう解決していくかに関わってくると思っています。適材適所の人事かは、これから分かってくることだと私は思います」
■「維新は意思決定プロセス構築して 古株の意見だけで左右されないように」
政権運営のキーマンともされているのが、維新の遠藤国対委員長です。
維新“創設者”の橋下徹さんは、遠藤国対委員長について「人脈形成に長けている」と評価しつつも、影響力が大きい人物の発言に「党の意思決定が左右されないよう」注意が必要だとしました。
【橋下徹さん】「そこまで個人的にコミュニケーションを取っていたわけじゃないんですが、人間関係を構築するプロ中のプロの松井一郎さんが、遠藤さんのことを『遠ちゃんはね、人間関係を構築する魔術師なんだ』っていうぐらい、人脈形成に長けてるんだと思いますね。
日本維新の会は、国会議員団が吉村さんが代表につくまでちょっと迷走してたんですよ。目標も見失って、何のために存在してるのかわからない。
でも吉村さんになって、少数与党に追い込んで、この少ない野党でレバレッジを効かせて、ある意味、政権の方に入っていく。政策実行を大目標にするということで、今、維新のメンバー、火がついてきています。
遠藤さんのような非常に人脈形成に長けた人は重要なんですけども、維新の国会議員は迷走してたところがあったので、意思決定のプロセスが非常に脆弱なんですよ。
だから古株の議員が言ったことで、党の方針が左右される。遠藤さんがこれ重要なキーパーソンなんですけども、今までの日本維新の会の仕組みだと、遠藤さんが一言言うだけで、今まで積み上げた議論がひっくり返るとか。そういうことがないように。
民間企業でもガバナンスって言ってるわけですから、しっかり与党として、意思決定プロセスを構築して、古株の意見だけで左右されないような頑強な組織にしてもらいたいですね」
(関西テレビ「newsランナー」 2025年10月22日放送)