高市新政権が21日に発足しました。
日本維新の会との連立という新しい枠組みと政策をめぐり、福岡の与野党の国会議員がさっそく激しい火花を散らしています。
「決断と前進の内閣」として21日夜に発足した高市新内閣。
◆高市首相(21日)
「みんなでしっかりと意思決定をしたら前に進んでいく、それもスピードを上げて進んでいく、その思いで懸命に働いてまいります」
福岡からは、総裁選で高市さんを支持した麻生派の井上貴博衆院議員が首相補佐官に選ばれました。
一方で今回、連立を組む維新は、「政策を実現することが目的」として内閣に議員を送り込まない、閣外協力を選択しました。
この形に、福岡の野党議員からも懸念の声が多くあがっています。
◆立憲(福岡2区) 稲富修二 衆院議員
「政権として一緒に責任も分担して担うという形ではないから、やっぱり不安定だと思う」
◆無所属(福岡9区) 緒方林太郎 衆院議員
「政策の要望はするけども、その結果において、財源探しにおいて、責任を負わないわけじゃないですか。それを本当に連立と呼ぶのかと」
こうした声に対し渦中の維新議員、福岡11区の村上さんは…。
◆維新(福岡11区) 村上智信 衆院議員
「今の段階で、閣外であることは良かったと思っている。『維新は大臣ポストが欲しくて、目立ちたいのでは』(という批判に)『いや、そうじゃないんだ』という姿勢を示せた」
また、自民と維新の合意文書をめぐっても強い反発が出ています。
維新側が強く望む「議員定数の1割削減」や東京での大災害を想定した首都機能の移転で、福岡も候補となっている「副首都構想」に対し、批判の声が…。
◆国民(九州比例) 許斐亮太郎 衆院議員
「(維新側は)もう非常に突然、『議員定数削減が1丁目1番地』と言う。しかし、高市さんは『経済政策が一番だ』と言う。一体何を中心に、一番やっていくんだろうと」
◆無所属(九州比例) 阿部弘樹 衆院議員
「(副首都構想は)大阪都構想でしょ。副首都構想に『福岡も候補だ』みたいなことを言われても、地元が熱を持ってお願いしていたわけでもないから」
これらの声に対し、維新の村上さんの反論は…
◆維新(福岡11区) 村上智信 衆院議員
「いろんな政策を進めていく上で、政治家が自ら身を切っていく、この姿勢を示すことが必要だと思っていまして。大阪でやった改革を日本全体に広げることの意気込み」
Q.政策が大阪に寄るとの懸念もあるが?
◆維新(福岡11区) 村上智信 衆院議員
「(副首都構想について)福岡も可能性はある。経済の面も、副首都に決まればそれを意識した企業が集まってくる」
一方、今年7月の参院選で大きな争点となった物価高対策。
自民が公約とした2万円給付は廃止となり、維新をはじめ、各野党が訴えた食料品の消費税ゼロも、合意文書では「法制化を検討」という文言にとどまっています。
◆公明党(福岡選挙区) 秋野公造 参院議員
「(国民が)物価高でこれだけ苦しんでいて、早く補正予算を編成しなくてはならないという声があったはずだが、即効性のある対策を取らない。こういった姿勢は正していかなければならない」
これまで与党として手を取り合ってきた公明からの指摘に、自民側は…。
◆自民(九州比例) 鬼木誠 衆院議員
「ちょっと整理をして答えを出さないといけないのかなと思います。とりあえず補正予算を成立させることが直近の経済対策だと思うので、そこからやりたいと思います」
少数与党という逆境の中で船出した高市新政権。
女性初の首相としても期待が高まる、その手腕が注目されています
高市首相 残業規制の緩和検討を指示
高市首相は21日夜からさっそく動き出し、時間外労働(いわゆる残業)について上限規制の緩和を検討するよう担当大臣に指示しました。
6年前の法改正で時間外労働は原則として1か月に45時間、1年で360時間までに制限されましたが、高市首相の指示には、健康に配慮しながら上限を緩くして、働きたい人はもっと働けるようにしよう、という狙いがあります。
「働き方改革に逆行する」という指摘もありますが、人手不足を補ったり残業ができずに副業をする人へ配慮した対応ともみられています。