自民と維新の連立により、高市早苗首相が誕生した。
参議院選挙から3か月、やっと政治が動き始める。
物価高対策など、私たちの暮らしにどんな動きがあるのか。
有権者から“物価高対策”望む声
新政権の発足で、北海道の有権者が暮らしに望むこととは。
「なんとか早めに経済を回復してほしい。物価高がひどい」(70代 会社経営者)
「ガソリンが高くなったり急に安くなったりして、かなり生活に響いている」(20代 大学生)
「所得税など、もらう分から引かれる額が多い。しっかり働いた分が欲しいので、下げられるなら下げてほしい」(10代 会社員)
北海道民が切実に求めていたのは、やはり物価高対策の実現。

コメ価格は高止まり
「札幌市北区のスーパーに来ています。コメの価格は5キロで4500円前後になっています」(蒲生美緒記者)
新米が発売されてから1か月あまり。コメの価格は高止まりしている。
「大変です、予算が決まっているから。物価が上がると、どこを削っていいか分からない」
「いつも無洗米を食べているが、3000円台で買えたのが4000円台と高くなっていて響いている」(いずれも買い物客)

農林水産省によると、全国のスーパーのコメの平均価格は4100円台となっていて、2年前の2倍以上の水準が続いている。
「北海道内の秋の収穫のめどがついているので、もう流通量が増えず価格は高止まり。コメの価格は来年度の新米からは少し下がるのではないか」(マルコストアー 山川悟史社長)
物価高対策が大きな争点となった参議院選挙から3か月。政治は止まったままだ。

学生に食料品を無料配布する大学も
「ずらりと並んだこちらの袋。袋の中にはコメなどの食料品が入っています。学生に向けた支援物資です」(蒲生記者)
物価高は学生の暮らしを直撃している。
札幌市豊平区の北海学園大学は、学生にパックのご飯やカップ麺など500人分の食料を無料で配った。
「アルバイト代も食料品やコメを買うとすぐなくなってしまう。就職活動用のスーツなどをそろえるため金がかかっている。食費もちょっと我慢する日がある。支給された食品も大事に食べる」
「アルバイトは扶養範囲のギリギリまで頑張って稼いでいる。支給された食品は、家でみんなで分けて食べる」(いずれも学生)

大学が実施したアンケートでは、多くの学生が支援を求めていた。
「物価高の負担は大きい。アルバイトする時間はどうしても限られ、しわ寄せが大きくなっている。今年度は特に奨学金の申し込みが、すごく多くなっている」(北海学園大学 宮入隆学生部長)
学生からも政治に物価高対策を求める声が上がっている。
「物価が下がってほしいし、所得を増やしてほしい。所得が上がってくれたら、社会もまわる」
「困窮している学生も多いので、政策に盛り込んでほしい。国民の生活に寄り添った対策を一番にしてほしい」(いずれも学生)

新政権の発足で、果たして物価高対策は前へ進むのか。
自民と維新の連立合意書にはさまざまな経済政策が盛り込まれた。
これにより、本当に私たちの暮らしは良くなるのか。
現代政治に詳しい専門家は。
「ようやく政治空白が終わり、さまざまな物価高対策に着手できる態勢が整った。スタートラインに立ったイメージ。衆参両院で少し数が足りないので、安定した政権基盤というにはほど遠い状況」(国学院大学 山本健太郎教授)
ガソリン税の暫定税率の廃止や消費税の減税など、国民が注目する政策は実行されるのか。
やっと動き出した国会は待ったなしだ。
