10月23日開幕する春の高校バレー宮城県大会。高校生バレーボーラー憧れの舞台、春高全国大会への切符をかけた戦いがいよいよ始まります。
女子の第一シードは絶対女王・古川学園。19歳以下日本代表として世界選手権に出場した中川いちの選手など、名将・岡崎典生監督が「全国屈指の逸材」と1年生のころから評価する今の3年生。最後の春高に強い覚悟を持って臨みます。
古川学園 中川いちの選手(3年)
「やり切りたい気持ちが強くて、最後、後悔しないように日本一になるって気持ちが、3年間の中で一番強い」
インターハイ全国ベスト8、国民スポーツ大会全国ベスト4など着実にチームの完成度を上げてきた古川学園。日本一を目指す中で、県大会に対しても油断は微塵もありません。
古川学園 中川いちの選手(3年)
「この県大会の勝ち方で春高の結果も変わってくる。どんな相手でも油断せずに、自分たちがやるべきことを集中してやっていきたい」
古川学園 菊地紅音キャプテン(3年)
「王者として自分たちの責任感だったり、譲らないというプライドは持ちつつ、相手は打倒、古川学園で来ると思うので、自分たちは油断せずやっていこうと思います」
一方、男子第一シードは東北。今年、こだわっているのは「組織力」と「粘り」です。
東北 高橋勇哉キャプテン(3年)
「守備力、機動力という部分では勝負できるかなとは思っているので、そこの質を上げる」
今年のチームは例年に比べ「相手を圧倒する高さ」がない分、「速さを追求したコンビバレー」や「粘り強い守備」にこだわってチーム作りをしてきました。
東北 吉田康宏監督
「小さいなりに今年の売りは何なのかという中で、つなぎの緻密さというところは、去年以上に増している」
大会3連覇中と近年宮城の男子バレーの先頭を走ってきた東北。その東北と県高校総体で激戦を演じたライバルも虎視眈々と全国の舞台を狙います。
第2シード仙台商業。去年の春高県大会は優勝候補として臨みながら、まさかのベスト8敗退。18年続いていた決勝進出を逃しました。
仙台商業 山口瑠偉選手(3年)
「去年はベスト8という結果で終わってしまって、ふがいない思いをしてしまって、先輩たちにも非常に悔しい結果を見せてしまった。去年の悔しさをばねにして、今年こそは春高に出場するという思いで、3年生中心で全員で頑張っている」
勝利の鍵を握るのは1年生のころからエースとして試合に出場、千葉伸次監督が「仙台商業史上最高のサーバー」と評価する高橋伶選手です。
仙台商業 高橋伶選手(3年)
「最後は自分に上がってくると思うので、最後の1点をしっかり決めきれるように、1本1本丁寧に自分に上がってきたトスを決めきるということを意識してやってきた」
去年味わった悔しさから「エースとしての責任感」が増したという高橋選手。3年間一度も勝てていないライバル・東北を倒すため『苦しい時に点が取れるエース』を目指し努力を続けてきました。
その成果が表れたのが今年の宮城県高校総体決勝。東北との一戦でした。試合はフルセットまでもつれる展開。仙台商業は高橋選手が得点を重ね一度マッチポイントを握るなど勝利にあと一歩まで迫りましたが、接戦の末、惜しくも敗退。それでも…。
仙台商業 高橋伶選手(3年)
「やっと東北高校さんの背中がやっとつかめたのかなという試合になったと思います。最後は自分たちの勝つ気持ちだと千葉先生も言っていたので、いかに勝つ思いが強いかだと思います」
この試合で掴んだ自信とともに挑む今大会。高校生活初めての全国大会出場を目指し最後の春高に挑みます。
仙台商業 高橋伶選手(3年)
「プレッシャーにもなりますけど、最後出し切るという思いが一番強いので、思い切りやってやろうと思います」