20日、秋田県内でクマによる人身被害が多発した。湯沢市の中心部で明け方、道路を歩いていた男性など4人が相次いでクマに襲われた。また、横手市と由利本荘市でも男女2人が襲われ、クマへの厳重な警戒が必要だ。
パトカーの呼びかけ確認しようと外に出たら正面にクマ
20日午前6時20分ごろ、湯沢市表町の住宅の敷地内で65歳の男性がクマに右の太ももをひっかかれけがをした。

クマに襲われた男性(65):
パトカーからの「この近くにクマがいる」との呼びかけを家の中で聞いて、はっきりと聞こえなかったので外に出たら、突然正面から襲ってきた。
男性を襲ったクマはその後、男性の住宅に侵入し、住宅の中にとどまっている(20日午後7時時点)。
明け方の市街地で次々襲われる
湯沢市中心部ではクマの人身被害が多発した。

午前5時過ぎには湯沢市元清水で、道路を歩いていた63歳の男性がクマに後ろから襲われ手にけがをし、その35分後には表町の道路で40~50代とみられる男性が犬の散歩中にクマに右腕をかまれた。
さらにその5分後には、湯沢グランドホテルで70歳の男性が背後からクマに襲われ、腕などにけがをした。
湯沢市内だけで計4人がクマに襲われけがをしたが、全員会話が可能な状態。
4人が襲われる前…消防本部の防犯カメラにクマの姿
男性たちが襲われたのは、午前5時から午前6時半までのわずか1時間半の間で、JR湯沢駅から半径600メートル圏内で発生した。

現場に近い湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部にある防犯カメラは、午前4時過ぎ、自動ドアから建物に入ろうとするクマの姿を捉えていた。
湯沢市民は「初めてです。怖いですね」と不安な様子を見せていた。
由利本荘市と横手市でも男女2人襲われる

また、由利本荘市矢島町の河川敷では午前8時20分ごろ、サクラマスの捕獲網の見回りをしていた84歳の男性がクマに襲われ、顔にけがをした。
横手市では、自宅の庭で木の剪定(せんてい)作業をしていた80歳の女性が後ろからクマに襲われ、頭や左手にけがをした。
クマの人身被害が多発する異常な状態。
秋田県内では2025年に入ってから、クマに襲われて1人が死亡、42人がけがをしている。