田久保眞紀 市長の学歴詐称問題に端を発した伊東市議会議員選挙は10月19日に投開票が行われ、当選者20人のうち19人を“反田久保派”が占めた。結果を見てみると、市民が田久保市長に“NO”を突き付けたことがよくわかる。
今回の市議会議員選挙は田久保市長の学歴詐称問題に端を発し、市議会が全会一致で不信任を議決したことに対して、田久保市長が議会を解散したため行われた。
伊東市議会は定数20だが、田久保市長が市長選へ回るにあたって辞職したことで解散前は欠員1となっていて、1人が市長選を見据えて出馬を見送ったため、市議選には前職18人が立候補。
ここに新人12人が手を挙げたことで30人による選挙戦となった。
一連の騒動は全国的なニュースとなったこともあってか有権者の関心は高まり、投票率は2年前の前回選を10.34ポイント上回る59.22%を記録。投票総数は3万3444(うち無効票は304)だった。
前述の経緯から市議選の争点が田久保市政の継続を望むか否かに絞られる中、告示前に報道機関が合同で実施したアンケートに「田久保市長を支持しない」と答えた前職18人を含む24人の得票合計は2万9519票に上り、有効投票の89.1%を占めた。
また、アンケートでは再度不信任案が提出された際の対応も聞いていて、「賛成する」と回答した26人の得票合計は2万9906票と有効投票の90.2%に上った。
田久保市長は議会の解散に当たって「新しい風を」と訴えていたが、前職の数が立候補者数全体の6割だったのに対して、得票合計は2万5923票で有効投票の78.2%となっている。
このように、田久保市長からすれば“完敗”とも言える選挙結果だったが、20日、取材に応じた市長は「勝った負けたという表現より、市政が前に進むために良い機会になった」と持論を展開し、再び不信任案が可決し失職した場合の対応については「私が(出直し選挙に)出たいというより、もう一度、私に挑戦してもらいたいと思ってもらえるかどうかが大事だと思っているので、みなさんの声を聞きながら考えていきたい」と話した。