田久保眞紀 市長が議会を解散したことに伴い行われた伊東市議選。前職18人全員が当選し、市民は議会側を支持する結果となり、田久保市長の失職が確実な情勢となっています。
伊東市・田久保眞紀 市長(9月10日):
令和7年9月10日、議会を解散するため通知を致します
伊東市・田久保眞紀 市長(9月10日):
広く市民に信を問うべきと考えた
田久保市長の“学歴詐称”問題に端を発し、議会は市長の不信任を議決。
その不信任に伴う田久保市長の選択は議会の解散でした。
定数20の伊東市議選に立候補したのは前職が18人、新人が12人の30人。
今回の選挙戦の唯一の争点となったのが田久保市長継続の是非です。
市長自身が招いた混乱で議会は空転し、市政は停滞。
市民の危機感も反映されてか、投票率は前回を10ポイント以上上回りました。
今回、4回目の当選を果たした前議長・中島弘道 氏。
当選確実が伝えられると、安どの表情を浮かべていました。
前回選は17位で当選。
初当選の2015年も17位、2回目の選挙は18位と過去3回の市議選はいずれも下位での当選でした。
伊東市・田久保眞紀 市長(2025年7月):
内容の方よろしくお願いします
伊東市議会・中島弘道 議長(2025年7月当時):
これはなんでしょうか?
伊東市・田久保眞紀 市長(2025年7月):
百条委員会に出頭要請に対する回答書になります
伊東市議会・中島弘道 議長(2025年7月当時):
ちょっとこれでは分からないです。重大なことですからハッキリさせてください
田久保市長の学歴詐称問題で中島氏は市議会議長として連日テレビや新聞に登場し、知名度は大幅に向上。
今回の選挙戦ではこれまでにない“圧勝”を目指しての戦いでした。
前議長・中島弘道 氏:
本当に最後まで頑張って、できれば上位で当選し、みんなで不信任を出すよう声をかけていく立場でいたい
今回は前回の倍以上となる票を獲得し、2位での当選。
喜びとともに改めて田久保市長に厳しい姿勢で臨む決意を新たにしていました。
前議長・中島弘道 氏:
大義なき解散。市長は解散を選びました。前議長として先頭に立って不信任決議を進めていきたいと思います
伊東市・田久保眞紀 市長:
戦う準備はできているか!!
新人・片桐基至 氏:
この改革を絶対に止めてはいけない
一方、今回の選挙戦で唯一“田久保市長”の支持を明言して立候補した新人・片桐基至 氏。
前回の市議選では落選している片桐氏の街頭演説や集会に田久保市長が何度も出向き、マイクを握っていました。
一方で選挙中にはこんな場面も…。
伊東市民:
伊東の恥。“タクボる”って言葉知っているか?
伊東市・田久保眞紀 市長:
知っています
伊東市民:
嘘をつく人
市民が田久保市長の“学歴詐称”問題を厳しく追及します。
伊東市民:
あんたが嘘をついたから
伊東市・田久保眞紀 市長:
いや私は嘘はついてないですよ
伊東市民:
だって学歴詐称って嘘でしょ?
伊東市・田久保眞紀 市長:
私は嘘はついてないです。私は嘘はついてないです
街頭演説後も話し込みますが、議論は平行線に。
それでも田久保市長にサインを求める人もおり、片桐氏は市長を支持する人たちの票を確実に取り込もうと、ともに訴えを続けてきました。
その結果-。
1300票余りを獲得し、9位で当選。
田久保市長とともに市政の改革を進めていくと語りました。
新人・片桐基至 氏:
田久保市長の改革を支持する人がいると思うので、そこもしっかり踏まえながら地域の課題に取り組んでいきたい
田久保市長が「信を問う」と選択した異例の市議選に市が組んだ予算は6300万円です。
市民からは「必要なのか」という声もありましたが、議会解散を選んだ田久保市長は-。
伊東市・田久保眞紀 市長(10月12日):
選挙は民意を示す民主主義にとって大切な制度なので、そこに対してお金がもったいないというのは果たしてどうなのかなと
一方で、定数20の市議選で前職は立候補した18人全員が再選しました。
田久保市長の失職は確実な情勢です。
前副議長・青木敬博 氏:
(市議選の)結果はほとんど変わらなかったわけじゃないですか。現役(前職)が全員残っているわけで。(田久保市長)本人が言っていることは詭弁で、大義ある解散だとは全く思わない
前職・杉本一彦 氏:
今回この無駄な市議選でしたが、もう1回戻れるということで間違いなく2回目の不信任決議を可決しやすい状況になったのでそれは喜ばしいことだと思う
民主主義とは何か?市民の声を反映する市政とは何か?様々なことを考えさせられる市議選となりました。