宮城県知事選(10/26投開票)に立候補した遊佐美由紀氏(62)に単独インタビュー
長期政権の弊害を批判し、新・福祉立県を掲げる遊佐氏。【後編】では、現県政の主要政策への評価と自身の改革案を聞いた。
ハイライト(要点)
・4病院再編問題:急な病院移転は地域の医療を奪うとし、「県民総参加」で病院のあり方を検討する。
・宿泊税への疑問:将来人口が減るから税を取るという理屈は目的税になっていないと批判。合意形成のない増税は認められないと述べる。
・県庁改革・女性登用:管理職に占める女性比率を2030年までに現在の約10%から30%へ引き上げる積極的改善措置を提案。
・草の根選挙:市民や無党派層が主体となる草の根選挙を展開。党派を超えた民主主義を理想に掲げる。
Q. 4病院再編問題については?
仙台医療圏では病院の稼働率が6割程度で、救急や回復期の連携が不足しています。こうした現状を共有しながら病院のあり方を検討すべきだったのに、急に移転が発表されれば地域の医療が失われてしまいます。トップダウンではなく、県民全員で自分ごととして議論すべき問題であり、今の手法は失敗だったと考えます。
Q. 宿泊税については?
宿泊税は県の税として導入するなら目的が必要です。外国人観光客のオーバーツーリズム対策などの具体的な使途があれば理解できますが、人口減少対策として課税するのは目的税とはいえません。街づくりの合意形成には一人一人としっかりと合意形成を図るべきです。
Q. 県庁改革で女性管理職比率30%への引き上げを掲げる理由は?
かつて女性採用が少なかった時代がありますが、「待っていれば増える」という発想では変わりません。役職は人を育てるものであり、積極的に女性を登用するアファーマティブ・アクションが必要です。他県では部長級も女性が増えています。宮城県庁でも2030年までに管理職の女性比率を30%に引き上げ、県庁を活性化させたいと考えています。
Q. 選挙戦の展開は?
選挙を通して政治を変えたいと思ってきました。今回は同級生や地域の人、選挙を経験したことのない人が主体となっています。草の根選挙と呼んでいますが、市民が自分ごととして宮城をつくるネットワークです。大きな組織の支援がなくても、民主主義の理想を信じて戦います。
Q. 党派を超える考えに至った経緯は?
立憲民主党にも所属していましたが、党派を超えて地域から政治を変える草の根民主主義を追求してきました。理想を掲げつつ、政党は手段の一つであり、県民とともに民主主義のあり方を発信したいと考えています。
Q. 県議30年の経験をどう活かし、県民の声を取り入れますか?
次世代育成やボランティア団体から多くの声を聞いてきましたが、行政の声が届いていない場面も多くあります。35市町村で「聞く選挙」を実施し、声を拾い上げて行政サービスのあり方を再構築し対話の場を広げていきます。
プロフィール
氏名:遊佐 美由紀(ゆさ みゆき)/62歳
経歴:旧鳴子町出身。元NHKリポーター・キャスターなど。県議会議員8期
※肩書・経歴は取材時点。インタビュー収録日:2025年9月30日
編集注
・本文は候補者の見解であり、数値・評価は本人主張に基づきます。
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・公平性のため、全候補を同フォーマット・近似文字量で掲載します。