10月20日にも連立合意する見通しの、自民党と日本維新の会。
高市氏が総理大臣になるための大きな一歩を踏み出すか、という中で、『サン!シャイン』に複雑な心境を語ったのは、自民党・大阪府連の北川晋平氏です。

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北川氏は2024年の衆院選に自民党公認で出馬し、高市氏も応援に駆けつけましたが、日本維新の会・藤田共同代表に敗れ落選。

現在は、地元選挙区の催しに参加するなど、政治活動を続けていますが、活動費は全て「自腹」だといいます。

自民党 大阪府連 衆院選(12区)で落選 北川晋平氏:
僕らも給料があるわけじゃないので、身一つで行っていますよ、落選中はそんなもんですよ。人を雇えるわけではないので。
高市総裁が本当総理になっていただくことが、日本のためにもすごく大事だなというふうに思っていたので、(維新との連立は)喜ばしく思っています。

応援に駆けつけてくれた高市総裁が、総理になる可能性が高まったのは喜ばしいと語る一方で…。

自民党・大阪府連 北川晋平氏:
私自身が不安にならないって、言ったら嘘になるかな…。
相手が、我々なら一番の戦う相手である「維新」との連立というところもあったので、周りの自民党員なんか、そういったところから、本当に不安の声というのが多く私の方にも上がってきているので。

2024年の衆院選では、大阪府内の19選挙区で日本維新の会の候補は全員当選を果たしていることから、連立が実現すれば候補者の調整が行われ、出馬できなくなる可能性があるのでは?という不安を抱える党員も少なくないといいます。

自民党・大阪府連 北川晋平氏:
国が良くなるためには、維新じゃなくて“自民党”の僕が国会議員になるべきだって、思いでやってきたので。やっぱり、『維新じゃなくて自民党じゃなきゃだめだ』って思うところが大いにあるからこそ、選挙に出続けているのが本音なので。

維新・閣外協力の可能性「ほどよい距離から始めようと」

地方からも様々な声が挙がっている、自民と維新の連立。
日本維新の会・吉村洋文代表はフジテレビの番組内で、連立後も維新の議員が入閣せず、『閣外協力』にとどめる可能性について、「内閣に大臣を出すことが連立イコールではない」と話していました。

この発言について、ジャーナリストの岩田明子氏は、『地元への配慮と人材不足』があるのではないかと話します。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
もともと日本維新の会は、大阪の利益代表という特徴がありますので、とにかく大阪のことをというところが特徴ですよね。
だけど、いきなり与党の中に入ってしまって、大阪と関係ないことをやるというのも、地元に対しての説明も時間がかかるでしょうと。
交渉の過程では閣僚ポストを出そうという話も出たんですが、閣僚ではなくというところで落ち着いてきまして、大臣とか副大臣を出し始めると、今度は党を回していく人が減ってしまいますので、ちょっと距離感を置いて、まずは別のポストで経験を積んでという、ほどよい距離から始めようというのがステップとしてはよいのかな、というところに落ち着いたと。

一方で、フジテレビの松山俊行解説委員長は、『交渉カードを残したい』のではないかと分析します。

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
維新の中で、閣僚を出した方がいいのでないかという声は、あったことはあったのですが、閣僚をいざ出してしまうと、国会答弁で矢面に立たされてしまうと。自民党と完全に一致した答弁をそこでしなくてはいけないということで、そのリスクを考えていたということだと思います。
あとは、維新がこれまで一番進めようとしていた、副首都構想だとか、社会保障改革とか、そういったことが本当に実現できるかどうか、当面は様子見ということで、いざとなったら、すぐに内閣から抜けられる形も取りたいということで、交渉カードとして、入閣は将来の条件としてまだあるのだけど、そこはカードとして取っておきたいという思惑はあるのだと思います。
副首都構想や社会保障だけでなく、内閣全体の連帯責任を負うことになりますので、他の問題、例えば「政治とカネ」の問題で行き詰まったり、予算の審議で行き詰まったり、そのときも維新が連帯で責任を取るということになるので、そのリスクを当面は避けたいと。

谷原章介キャスター:
でも、そこでリスクを取らなくて、自民党として議員定数削減とかを推し進めてくれるんですかね?
(「サン!シャイン」 10月20日放送)