新潟県村上市を流れる三面川では、毎年この時期に行われるサケ漁が来週始まります。ただ、漁獲量は年々減少傾向にあるといいます。今年こそはと大漁を願う地元の漁業関係者を取材しました。

■伝統の“サケ漁”存続の危機…漁獲量が年々減少傾向に

10月17日朝、村上市で執り行われたのは、市内を流れる三面川でとれるサケの大漁を願う神事です。

三面川では毎年この時期に遡上してくるサケの漁が伝統的に行われています。ただ…

【三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 組合長】
「10月1日よりサケ漁は国により解禁されたが、16日現在、1匹も姿が見えない」

三面川で採れるサケは年々減少していて、2019年は3万匹に迫っていましたが、去年はわずか5519匹に。

地球温暖化による海水温上昇が理由とみられていますが、はっきりとは分かっていません。

また、サケの不漁に伴い採卵数も激減。おととしは約190万粒だったのが、去年は80万粒ほどと半分以下になっていて、サケの卵をとってふ化・放流をしている村上のサケ漁は存続の危機にひんしています。

【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「寂しい。今まで全部卵で埋まっていたのが2列、3列くらいしかない」

少しでも漁獲量を上げようと、漁協は今年、サケを採る仕掛け柵・ウライの設置方法を変更しました。

【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「ゴミがたまるとウライが沈む。そうなるとサケがとれなくなるので、ウライの上をきれいにしてゴミがたまらないように。それも両サイドだけ。なるべく少なくしようと」

これまで約180mの川幅いっぱいに設置されていたウライを両端のみに設置してメンテナンスを簡略化しようというのです。

■「復興の魚が帰ってきてくれれば…」サケ漁存続へ豊漁祈る

そして、今年は豊漁を願う特別な理由もありました。

サケは放流から3年ほどで戻ってくると言われていますが…

【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「2022年は水害があったが、それでもサケはとれた。復旧して放流したその子たちが今年帰ってくる」

3年前の8月に村上市などを襲った豪雨で三面川のふ化・養殖場も被災。

稚魚を泳がせる水槽が土砂で埋まるなどの被害を出しましたが、そこから復旧し、放流したサケが今年戻ってくるのです。

【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「今年はやっぱり復興の魚。帰ってきてくれれば本当にうれしい」

豪雨からの復興、そして伝統のサケ漁の存続へ関係者は今年の豊漁を祈っています。

【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「サケを守って、村上からサケを絶やさない。それが一つの使命だと思っているので、これからもふ化・増殖に努めて頑張っていきたい」

三面川でのサケ漁は10月21日に始まります。

NST新潟総合テレビ
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