県内ではクマの目撃件数が1500件を超える「異常事態」となっている。これを受け吉村知事は、県の職員が市町村に出向き緊急銃猟のハードルを下げる役割を担う「タスクフォース」を立ち上げたと発表した。

(吉村知事)
「県と県警が連携して緊急銃猟タスクフォースとして、市町村長を訪問し、直接ご相談に対応することにした」

県が今回立ち上げた「緊急銃猟タスクフォース」は、県と県警のクマ担当者が要望のあった市町村を訪問し、判断が難しい緊急銃猟について疑問や不安の解消を目指すもの。

「緊急銃猟」は市町村長の判断でクマへの発砲を許可できる先月から始まった新制度。
県内でクマの目撃件数が1500件を超える中、これまでに鶴岡市と米沢市の市長が緊急銃猟での発砲を許可したが、いずれのケースも許可に基づく発砲は行われなかった。

許可を出した市長は緊急銃猟について「判断の難しさを感じた」と課題を述べている。

(米沢市・近藤洋介市長)
「現実には必ずしもこういう(発砲しても安全な)場所とは限らないので、そういう時に判断が下せるか課題も大きいと思う」

県によると緊急銃猟に関して「判断のタイミング」や「猟友会との関係作り」、「短時間で必要な態勢を整えられるか」など、各市町村から膨大な疑問や不安が寄せられているという。

吉村知事は会見で「制度を知ることで判断しやすくなる」と話し、「様々な状況下でどんな判断をすべきなのか、具体例を挙げながら丁寧に説明したい」と述べた。

(吉村知事)
「(市街地で)銃猟を行うことは大きな責任が伴うし、様々な実態を市町村長が把握した上で決断をしなければならない。実際に決断をするのは市町村長。直接伺って説明をして疑問に答えることが大切」

県の緊急銃猟タスクフォースの初出動は今月21日。河北町に派遣される。

さくらんぼテレビ
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