季節の変わり目に体調を崩している方も多いかもしれません。
鼻がムズムズ、のどがイガイガという症状は「秋の花粉症」の可能性もあります。
福岡市南区にある国立病院機構福岡病院。
屋上に上がると、白衣姿の女性が何やら作業をしています。
◆福岡病院 児塔栄子さん
「重力法のダーラム型という花粉補集器です」
この病院では年間を通して毎日花粉を採取しています。
この道約40年の花粉調査員、児塔さんはここ数年、秋の異変を感じているといいます。
◆福岡病院 児塔栄子さん
「昔より最近は増減を繰り返しながら、(花粉が)やや多くなっている。秋の抗原花粉としては『ブタクサ』」
アレルギー反応を引き起こす花粉はスギやヒノキなど春先のイメージが強いですが、秋にも花粉が飛散しています。
その量もここ数年、夏の暑い時期が長くなっている影響で増えているといいます。
◆記者リポート
「川沿いにびっしりと雑草が生い茂っています。風に穂先が揺れています」
福岡市南区の住宅街に生えていたのは、ブタクサの仲間「オオブタクサ」です。
びっしりと生い茂る生命力に、近くに住む人も頭を悩ませていました。
◆近くに住む人
「娘は花粉症っぽい。鼻水、目がかゆい、くしゃみ」
「秋だけなのでたぶん(原因は)ブタクサ」
「秋の花粉症」の猛威は医療の現場でも…。
◆記者リポート
「早朝から、耳鼻科には長蛇の列が出来ています」
那珂川市にある「じんのうち耳鼻咽喉科」には、去年の同じ時期と比べてのどや鼻の不調を訴える人が多く訪れているといいます。
◆男の子の母親
「最初、のどが痛くて、鼻水が止まらなくなってきたんですけど」
風邪か「秋の花粉症」か分からないと訪れた男の子。
問診してみると…。
◆じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也 院長
「どう、けっこう外は出る?毎日出てます?遊びに行ってます?まあそしたらそうでしょうね。お鼻の粘膜はアレルギー様に腫れてますよね。ブタクサのアレルギー」
外で遊んだ際にブタクサの花粉を吸い込んだことによる「秋の花粉症」でした。
◆じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也 院長
「風邪症状で来院する人は多いですね。まず風邪じゃないかどうか採血をして、アレルギーチェックをしてみて『秋の花粉だね』ということを確認して、診断をつけます。以前に比べると増えていますね。暑い夏が続いた影響は大きい。意外と11月ぐらいまで続くのではという印象があります」
長い夏、そして猛暑の影響で増加の兆しをみせる「秋の花粉症」。
その対策は?
◆じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也 院長
「花粉をしっかりはらって部屋に入るとか、鼻うがいが非常にいいと思うんですけど、あと道ばたのブタクサに近づかない」
花粉を吸い込まないようにマスクの着用など「春の花粉症」と同様の対策が秋にも求められています。