2025年4月に産科で医療ミスが発生した長野県松本市の市立病院が、分娩の受け入れ廃止を決めました。少子化などで分娩が減り続けるなか、「安全な態勢の継続は困難」としています。

松本市立病院の担当者:
「将来的にも安全に分娩を継続するのは難しいと判断し、分娩機能の廃止を決定しました」

10月15日の市議会協議会。松本市立病院が報告したのは「分娩機能の廃止」です。

松本市立病院では2025年4月、助産師が胎児の心拍数の異常を医師に報告せず、赤ちゃんが脳に障害を負う医療ミスが起きました。

分娩は7月から休止され、病院が再開を検討してきましたが―

松本市立病院の担当者:
「助産師のスキル低下、医師・助産師の確保といった医療安全上の問題で、分娩廃止一番の理由は、将来的にこうした課題を解決することは極めて困難であると」

事故の背景には「分娩数の減少」があります。市立病院が扱った分娩は昨年度138件。少子化の影響などで10年前の約3分の1となっています。

助産師のスキルの維持や余裕のある人員配置が難しくなり、連携不足が生じたなどとしています。

今後も更なる分娩減少や医師不足が見込まれる中、病院は、「安全上の課題に対応するのは困難」と説明しました。

臥雲義尚市長:
「松本平においては(分娩の)受け入れ余力も余裕がある。近隣医療機関との連携の在り方や内容(を検討し)、出産前後では市立病院でもしっかりサポートさせていただく」

市は、松本地域では医療機関に余力があるため、「分娩の受け入れに問題は生じにくい」としています。病院では今後も産科を維持し、近隣の医療機関と連携しながら妊婦検診や産後ケアなどを担うとしています。

長野放送
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