長野地方裁判所は10月14日、殺人の罪などに問われた青木政憲被告に死刑を言い渡しました。現場近くの住民からは「当然の判決」「黙秘ではなく、気持ちを伝えてほしかった」などの声が聞かれました。

2023年5月、長野県中野市で女性2人と警察官2人が男にナイフや猟銃で殺害された事件。現場近くに住む青木政憲被告が4人を殺害した罪などに問われ、14日、長野地方裁判所で判決が言い渡されました。

裁判長:
「被告人を死刑に処する」

長野地裁は、被告に完全な責任能力があったとして、死刑を言い渡しました。

14日の死刑判決を受け、住民からは様々な声が聞かれました。

(記者リポート)
「きのう、死刑判決を言い渡された青木被告、現場の近くに住む人はどのように受け止めたのか聞きました」

現場近くに住む人:
「(判決は)当然だったと思った。遺族の方が納得すればいいと思っていた」

4人の尊い命が奪われた事件。住民からも判決に理解を示す声が聞かれました。

一方でー

現場近くに住む人:
「(事件がどうして起きたのか)分からずじまいだよね。遺族にしてみればどうしてあんなことしたんだって(知りたいと思う)」

青木被告は、初公判で「黙秘します」と述べ、その後の被告人質問でも黙秘を貫きました。

なぜ、事件を起こしたのか。自分の口から語らないまま、「死刑」を言い渡されました。

現場近くに住む人:
「(被告は)黙秘ではなく、気持ちを伝えてほしかった。控訴はしてほしくない、受け入れて遺族のことを考えてほしい」

事件の第一通報者で青木被告の犯行を目撃した男性は、NBSの取材に「判決を聞き、極刑でやむなしと思った。一区切りではあるが、被告が何も話さない状態では、被害にあった方々が報われず、すっきりしない」などと話しました。

事件の後、青木被告の両親を支援してきたNPO法人の阿部恭子理事長は―。

阿部さん:
「この事件がなぜ起きて、それを家族や地域の人含め、どうであれば、この事件が防げたかを解明していくには非常に不十分だった」

青木被告の弁護士は、判決を不服として、控訴する意向を示しています。

長野放送
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