まさかの場所に再び現われた。目を光らせ、見つめるのはクマ。10月13日福島県福島市飯坂町の温泉街に出没した。幸いけが人はいなかったが、温泉街は約10時間に渡ってただならぬ緊張感に包まれた。
■温泉街の立体駐車場にクマ出没
我が物顔で温泉街を歩き、建物から建物へ。時々、こちらをチラリ。その正体は“クマ”!福島県内有数の温泉街は緊迫した空気に包まれた。
クマが最初に目撃されたのは、10月13日午後6時過ぎ。福島市飯坂温泉にあるホテルの従業員が、立体駐車場の中にいるクマを発見した。その後、出ていく様子が無く居座り続けたことから、警察と市は駐車場を封鎖。ワナで捕獲ができる状況のため緊急銃猟の対象には該当せず、住民や宿泊客の安全を確保した中で、膠着状態が続いた。
■建物を行ったり来たり
日付が変わった14日午前0時半ごろ、建物からクマが出てきた。姿を現したクマが右側の建物へと入ろうとしている。クマは隣の建物を行ったり、来たり。逃げる場所を探しているようにも見える。
目撃した人は「最初人かなと思って近づいてみたら音がして、そこの白い手すりを見たら黒い物体、光照らしたらクマ。すぐ目の前だったのでこわいなっていう」と話す。
■温泉街を歩き回り山へ
取材を続けていると…クマはいつの間にか建物から抜け出し、温泉街に…緊張が走る。駐車場付近を歩くクマ。クマは温泉街を歩き回った後、午前4時ごろ近くを流れる川に移動。山に立ち去ったということだ。けが人はいなかった。
夜が明け、現場近くの小学校では保護者に付き添われながら児童が登校。周辺では警察と市がパトロールを強化し、現在も警戒が続いている。
■市内の別の場所でも2頭のクマ
警察などによると、周辺ではこれまでのところ、新たなクマの目撃情報はないということだ。福島市内では13日、別の場所でもクマが出没していた。福島市成川で撮影された防犯カメラの映像。2頭のクマが敷地内を歩いていく様子が捉えられている。
県内のクマの目撃は13日までに1017件、すでに過去最多となっている。(前年同期比+427件)