9月1日から始まった「緊急銃猟制度」。住宅地のような日常生活圏にクマやイノシシが出没した場合、一定の条件を満たしたときに市町村長の判断で猟銃を使用した駆除などが可能となった。
■駆除が可能になったが…
全国ではこれまでに山形県鶴岡市と米沢市で「緊急銃猟」を許可した事例があったが、いずれも発砲には至らなかった。
■準備進める会津若松市
会津若松市農林課の小野直樹課長は「(緊急銃猟は)法的には可能なんですけど、ただ本当に安全対策が取れるのか、そういった所がまだ未知数ですので、すぐにいまできるかというとまだ難しいところ」と話す。
関係機関との連絡体制や安全確保の手順など求められることが多岐に渡る「緊急銃猟」。会津若松市では対応マニュアルの作成やヘルメットなど備品の購入、銃弾が物を破壊した際の保険の加入など、年内にも制度を運用できるよう準備を進めている。
■想定が多く手探り状態
しかし、あらゆる事態を想定しなくてはならず、いまだ手探りの状態だという。
会津若松市農林課の小野課長は「クマは常にずっと止まっている訳ではないので移動する。移動した場所によってできる場所、できない場所変わっていきますので、そこが柔軟に対応できるか」と懸念する。
福島県内ではまだ許可したケースのない「緊急銃猟」。全域でクマの出没が相次ぐ中、自治体側の模索が続いている。