万博会場で熱心にメモをとりながら回る少年。
実は、開幕日にもnewsランナーが取材していた。
この半年間で見つけた大きな夢。万博が少年に残してくれたものとは。

■万博閉幕日 熱心な万博少年と再会
万博閉幕日の13日午前。
吉原キャスター:黒くなって匠人(たくと)くん!
野田匠人くん(10):こんにちは。
吉原キャスター:久しぶり!最終日だよ万博。
野田匠人くん(10):最終日、悲しいです。
吉原キャスターとの再会を果たしたのは、大阪府堺市に住む野田匠人くん(10)と、悠人(はると)くん(3)の兄弟。
初めて出会ったのは半年前、万博開幕日にさかのぼりる。
(Q.これは何のノート?)
野田匠人くん(当時9歳):これは万博のパビリオンをメモするために持ってきたノートです。
吉原キャスター:もう書いてるね。
野田匠人くん(当時9歳):大屋根リングの上には、たくさんの植物や花が植えられています。
吉原キャスター:気付いたことをメモで書いてるの?
野田匠人くん(当時9歳):はい。
お兄ちゃんの匠人くんはノートを持参し、丁寧にメモを取りながら会場を回るという熱心な万博少年!

■「ここで見られるのはラッキー」万博の気づきをメモしていく
カタール・パビリオンの前で、白い民族衣装に身を包み踊る人たちに遭遇した際には…。
野田匠人くん(当時9歳):カタールの伝統のような踊りは、息が合っているから独特なダンスになっている。万博に来なかった場合、わざわざカタールまで行く必要があるので、ここで見られるのはラッキー。
開幕日、夜遅くまで様々な国のパビリオンを巡った匠人くん。
その感想も印象的だった。
(Q.1日回った感想は?)
野田匠人くん(当時9歳):地球の中に地球があるのではないかと考えた。
吉原キャスター:大きな地球なのに、この夢洲っていう島の中に、もう1個地球があったってことか。
野田匠人くん(当時9歳):はい。
吉原キャスター:こんな42歳のおじさんが胸が熱くなることないよ、よく頑張ったね。

■パビリオンを通して将来の夢を発見「農家をやりたい」
閉幕までの半年間で万博に訪れたのは18回。熱心に書き留めたノートも2冊目に入った。
(Q.週末は万博三昧?)
野田匠人くん(10):三昧です。もう飽きてきてる。もういいかなってなってきてる。
そうは言いながらも、万博をきっかけに「将来の夢」を見つけていた。
野田匠人くん(10):パソナネイチャーバースで、ミツバチがこの世界から絶滅すると、人間が4年で絶滅するって聞いたので、何でかなって調べた。農家になりたいからこそ、ミツバチを大切にしないといけないと思った。
パビリオンを通して浮かんだ疑問を学校で研究したことで、「農家をやりたい」と思ったそうだ。
野田匠人くん(10):いろいろ植物育てて、さらにイチゴを育てて、さらにミツバチも一緒に成長させるようになりたい。地球全体の人に、悪い環境じゃない世界で生きてほしいと思ったので。

■万博に18回来てもまだ初めてのパビリオンを訪問
13日の予約も開幕直後におさえ、心待ちにしていた匠人くん。
どうしても行きたい場所があるそうで。
(Q.カナダで何を勉強したい?)
野田匠人くん(10):カナダの食べ物や文化が知りたいです。
まだ一度も行ったことがないカナダパビリオンだ。
フェイスペインティングを楽しみつつも…
野田匠人くん(10):カナダ館は、何でこんな形なんですか?
カナダパビリオンのスタッフ:春になると、川の上の氷が溶けて、氷と氷がぶつかったときの形です。アイスジャム(水路氷結)という。
野田匠人くん(10):アイスジャム。
欠かさずさっそくメモ!
入り口で貸し出されるタブレットで展示物をみると、カナダの壮大な景色などがARで浮かび上がる。
野田匠人くん(10):北極の氷って、すぐできるものだと思ってましたけど、案外時間がかかるんですね。
匠人くんのノートに、思い出がまた一つ。

■万博少年のおすすめは「チェコパビリオン」 独特な建物に魅了
次に案内してもらうのは…。
(Q.色々見た中でどこがおすすめ?)
野田匠人くん(10):チェコです。
なんと3回も訪問したというチェコパビリオン。
伝統のチェコガラスで覆われた独特な建物に魅了され、何度来ても新しい学びがあった。
野田匠人くん(10):形がすごいですね。下がこんな小さいのに、上の大きいものが、柱なしでなんで保ててるのかなって。

■万博最後の日「万博があってくれてありがとう」
半年間、家族でほぼ毎週来ていた大好きな万博。
13日が本当に最後の日だ。
野田匠人くん(10):楽しい時間って、すぐ終わるの何でなんだろう。
(Q.万博に声をかけるなら?)
野田匠人くん(10):万博があってくれてありがとう。
吉原キャスター:純粋な“ありがとう”っていう言葉を聞くと、ぐっと来るものがあって、またおじさん涙出ちゃったよ。

■「ありがとう」を吉村知事へ
番組では万博最終日を満喫中の匠人くんが、大阪府の吉村知事に直接思いを伝えた。
匠人くんはパビリオン以外で、一番好きな場所が“静けさの森”だそうだ。
野田匠人くん(10):ここは秋の夜になれば、虫の声が聞こえたりするので、自然を感じられるところが好き。
匠人くんの学びの姿勢について吉村知事は「『万博があってくれてありがとう』って言ってくれたのが、本当うれしくて、匠人くんが勉強したり感じたことは、これからすばらしい人生にとって大事なものになる。思い出を大事にしてもらえたら」と話した。
匠人くんから吉村知事に質問があそうで…。
野田匠人くん(10):何で公式キャラクターはミャクミャクになったんですか?」
大阪府 吉村洋文知事:ミャクミャクが選ばれたのは何でというと、色んなキャラクターあったんだけど、“いのち輝く未来社会のデザイン”が今回の万博のテーマ。いのちがテーマ。その中でミャクミャクは清い泉から生まれてきて、赤いところが細胞、脈々と命がつながっていく、「大切な命がつながっていこうね」というメッセージを込めてミャクミャクが選ばれた。
野田匠人くん(10):ミャクミャクはそんな意味があったんですね。

■「赤字黒字も大事だけど、これこそが万博のレガシー」と吉村知事
最後に匠人くんから知事に向けて「万博を開幕してくれて、ありがとうございます」と伝えた。
匠人くんのメッセージ聞いて吉村知事は「これがレガシーというか、本当に万博良かったなと思うところ。よくメディアの皆さん、赤字とか黒字とか言うけど、もちろん赤字黒字も大事だけど、これこそが万博のレガシー」とし、匠人くんへ向け「万博で感じたことを自分の未来につなげてほしい」と話した。
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月13日放送)
