長野県中野市で女性2人が刺され、警察官2人が猟銃で撃たれて死亡した事件。警察官1人を殺害した疑いで青木政憲容疑者(31)が逮捕・送検されている。青木容疑者について、知人は中学校時代は「普通だった」と話す。変わったのは大学時代、容疑者は「いじめにあい人間関係が苦手になった」などと話している。

中学校時代は明るい印象だったが…

第一通報者:
表情も変えず、ちゅうちょもせず、動作流れるままにつかんで刺した。これでいて平然としていて息も切らしていないし、そのまんま歩いて帰っていった。固まっちゃいましたよ、完全に

強い殺意、ためらいのない行動。

なぜ、容疑者は犯行に及んだのか。

青木容疑者は中学校時代、野球部に所属しキャッチャーをしていた。かつてのチームメートは「普通の中学生だった」と振り返る。

青木政憲容疑者 中学校の卒業アルバム
青木政憲容疑者 中学校の卒業アルバム
この記事の画像(8枚)

容疑者の中学校のチームメート:
中心になるような人ではなかったけど、友達も普通にいるし、どこにでもいる中学生。普通に野球もできる感じで、頭もよかったので、プレーはしっかりできていた。あんなことするような人ではなかったと思っていたのでびっくり。信じられないのがまず一番だし、うそであってほしい

卒業文集ではー。

(青木容疑者の卒業文集より)
この世の中で最も大事なものは「命」だと思います。2番目は何かと問われたら私は間違いなく「金」と答えるでしょう

クラスメートのランキングでは社長になりそうな人、空が飛べそうな人で2位に名前があった。

名前の横には「正義のヒーロー」の文字も。明るい印象も受ける青木容疑者。その後、転機が訪れる。

中学校の卒業文集
中学校の卒業文集

大学時代のいじめ…人間関係が苦手に

容疑者を知る人:
一度、大学に入ったんですよ。人付き合いうまくいかなくて、じきに帰ってきちゃったっていうのは聞いていた

高校時代の青木政憲容疑者
高校時代の青木政憲容疑者

須坂市内の高校を卒業後、東京の大学に進学したものの中退したという。

捜査関係者によると「大学時代にいじめにあい人間関係が苦手になった」などと話しているという。

静かであいさつもしない

容疑者の父親は市議会議長だった正道さん。地元に戻った息子のためか、農園の名前を「マサノリ園」に変えた。

容疑者はそこでブドウなどを育て、両親は容疑者が育てた果物を使ったジェラート店もオープンさせた。

青木政憲容疑者の自宅
青木政憲容疑者の自宅

ただ、一家に畑を紹介した男性も容疑者について「静かであいさつもあまりしなかった」と話した。

母親の知人の男性は「うちの長男は人とコミュニケーションをとるのが苦手」と話すのを聞いたという。

青木政憲容疑者(31)長野中央警察署に移される(5月26日夜)
青木政憲容疑者(31)長野中央警察署に移される(5月26日夜)

容疑者の親せきの女性:
おとなしいから話はしない。「こんにちは」とかそういうのはなし

近所の住民:
イメージとしては何もしゃべらない、あいさつもしない。大きくなってから変わっちゃったかなという印象

頻繁にクレー射撃の練習に

その一方、のめり込んでいったとみられるのが…。

容疑者を知る人:
「猟銃の免許を欲しい」と周りに言って取ったという話はちらっと聞きました。クレー射撃の練習によく行っていたようだ。(銃の使い方は?)手慣れていたと思う

青木政憲容疑者(31)長野中央警察署に移される(5月26日夜)
青木政憲容疑者(31)長野中央警察署に移される(5月26日夜)

容疑者は許可を得て猟銃4丁を所持。そのうちの1丁で今回の犯行に及んだとみられる。

“ぼっち”とののしられたと思い…

大学中退以降、次第に他人との交流が減り内向的になっていった容疑者。

最初に襲った女性2人に対してはー。

青木政憲容疑者(31)送検(5月27日)
青木政憲容疑者(31)送検(5月27日)

(青木容疑者の供述)
ひとりぼっちであることをののしられたと思って殺害した

容疑者と女性2人との接点はほとんどなく、警察は、一方的に思い込んだとみて調べを進めている。

(長野放送)

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。