慢性的な混雑を解消しようと、新千歳空港の駐車料金が10月10日からおおむね3倍に値上げされた。
空港までの移動手段には何を選べばいいのか。
これまでの新千歳空港の駐車場
「3連休を控えた新千歳空港の駐車場です。車は次々と入ってきますが、値上げの影響からか以前よりも車を止められるスペースは空いているように感じます」(水上孝一郎記者)

10日から大幅値上げされた新千歳空港の駐車場。
A・B・Cの駐車場合わせて5200台あまりが収容できるが、コロナ禍を経て、自家用車を使い1日~3日間駐車する人が増えたことでこれまでは年間3分の1が満車状態だった。
連休やお盆などの時期には飛行機に乗り遅れる人もいたという。
料金値上げに対する利用者の反応
この混雑を緩和しようと空港に近いA・B駐車場の料金はこれまでの約3倍、やや離れたC駐車場は最大5倍の価格になった。

「娘が本州にいて帰省のたびに迎えに来ている。(値上げは)かなり厳しい」(後志の京極町からの利用者)
「前の料金のときは3連休で金曜日ならもう埋まっている。(以前は駐車場の)トラブルで飛行機を遅らせることがあった。プライベートなら使わない。仕事で飛行機に乗り遅れたくないときは逆にスムーズに入れていい」(札幌市からの利用者)
北海道エアポートの計画
運営する「北海道エアポート」は数年以内にA・B駐車場を立体化する計画だ。
また2025年12月末までに約1000台が入るD駐車場を新設する予定で、今後3000台にまで規模を拡大する方針だ。

値上げによる他駐車場への影響
無料の送迎バスで空港と結ぶ、苫小牧市のエアポートパーキング。
現在の利用料金は日帰りで600円。

値上げした空港駐車場よりも格安のため、利用客は2024年の同じ時期より30%ほど増えているという。
「(空港駐車場が)高くなったので会社が少しでも安くということで探してここに来た」(東京に向かう利用者)
値上げによる変化の見込みと不安
エアポートパーキングは空港駐車場の料金改定やガソリン代・人件費の高騰もあり、10月15日から200円の値上げに踏み切るが、期待も寄せている。
「飛び込みの客が増えた。新規の客が来る期待はあるが、送迎バスで空港に行くので(新規の客が)待ち時間(を理解してくれるかが不安)。空港に着く時間を15分刻みで迎えに行く設定にして(時刻表を)作ろうと思っています」(エアポートパーキング 長沢智香さん)

旅行、帰省、出張などで利用する空の玄関口。
駐車料金の値上げは新千歳空港までの移動に影響を与えそうだ。
自家用車・JR・空港連絡バス 主要な手段3つを比較
例えば、旅行や出張で新千歳空港を利用する場合、自家用車、JR、空港連絡バス、主に3つの選択肢があるが、それぞれの特徴を簡単にまとめた。
<自家用車>
・空港駐車場:10日から利用料金が値上げ。空港に直結、近い
→A・B駐車場は1日3500~4500円、C駐車場は2500~3500円
・ほかの民間駐車場:早めに行き送迎バスに乗る必要。利用料金が格安
→空港周辺約10か所の駐車料金は平均1000円台後半

<JR>
・混雑していて荷物を運ぶ負担
・札幌駅から約40分で到着
→快速エアポートで1230円

<空港連絡バス>
・空港まで1時間20分弱。必ず座れる
→札幌中心部から1300円

また、この値上げと同時に新たな割引サービスを開始。
空港内の店舗で3000円以上の買い物をして、映画館や温泉などのエンタメ施設を利用すると、A・B駐車場が最大8時間無料、C駐車場が最大4000円割引になる。
便利さか、速さか、安さか、快適さか―
今回の空港駐車場の値上げで、道民の足に変化が出てきそうだ。