身近な課題や旬の話題を深堀りする『キニナル』です。
スポーツの日の13日は『こどもロコモ』について。ロコモとはロコモティブシンドロームのことで、筋肉や骨、関節など運動器に障害がおこり、立つ、歩くなどの動きに異常をきたす状態をいいます。
寝たきりや介護を必要せず元気にいられるよう、以前からお年寄りや中高年に呼びかけられていましたよね。
ところが最近では、子どもたちの運動機能が低下する『こどもロコモ』が増えているというんです。
例えば、足の裏を床につけてしゃがむ動きですが、しゃがめずに後ろに倒れてしまう子どももいるそうです。
なぜこどもロコモが増えているのか気になる現状と対策を取材しました。
12日に富山市のショッピングセンターで開かれたロコモ予防のイベント。
西能病院などを運営する五省会が7年前から開いていて、訪れた人たちが骨密度や筋肉量など体をチェックし、専門家によるアドバイスを受けていました。
「かかとつけたままでお尻しゃがめる?」
ここでも去年から子どもを対象にしたロコモ予防のコーナーを設置。
子どもたちが片足立ちや腕を上げた時の角度などロコモチェックを行っていました。
※子どもは
「結構難しかった」
Qどういうところが?
「片足とか立つの」
※保護者は
「結構ゲームをしてるのであまり運動している印象はない。姿勢もたまに悪いかなと思ったりする」
なぜ今、こどもロコモが増えているのでしょうか?
※西能クリニック 理学療法士 永井皓大さん
「コロナ禍で外に出る機会が減ったり、スマホの普及でスクリーンタイムが増えたことによって姿勢が悪くなることで肩甲骨の動きやお腹の力が弱くなってしまい将来的にロコモになるリスクが増えるのが懸念される」
ここで、こどもロコモチェック。
次の5つの項目で1つでも当てはまるものがあれば、こどもロコモの可能性があります。
・両手を広げて片足でふらつかず、5秒以上立てますか?
・足の裏を床につけて、後ろに倒れないでしゃがめますか?
・両手をまっすぐ上に、耳の横につくように垂直に上げられますか?
・膝を伸ばしたまま、楽に指が床に着きますか?
・グーを作りながら肘を引き、パーにしながら腕を前に、この動きがスムーズにできますか?
『全国ストップ・ザ・ロコモ協議会』によると、中学生143人を対象に行った調査では、『前屈で床に指がつかない』『しゃがめない』など、およそ半数の生徒が1つ以上当てはまったと言います。
一方、運動不足だけがこどもロコモの原因ではありません。
立山町のパーソナルジムです。
この日はクラブチームで野球に打ち込む中学生がトレーニングに訪れていました。
「下しっかり作って胸張って」
独立リーグ富山GRNサンダーバーズの外野手として活躍したトレーナーの藤岡 直也さんは、スポーツをしていても姿勢を整えなければ柔軟性やバランス力が低下するほか、運動をしすぎると成長期の体に負荷がかかり、ケガにつながるリスクもあると話します。
※FUJIREX 藤岡直也さん
「悪い姿勢の状態でスポーツとかトレーニングをやってしまうといいことやってても逆にケガをしてしまう。使ったところをしっかりストレッチして、緩めてから正しいトレーニングをする」
また、今の子どもたちは地べたではなくソファや椅子に座ることが多いことから、膝の曲げ伸ばしだけで生活し、いつの間にか股関節が固くなってしまうそうです。
※中学生は
「最初は苦手でした。最近はちょっとずつできるようになりました」
最初は股関節や肩甲骨の動きが悪かった子どもたちも、ストレッチと正しいトレーニングを続けたことで改善につながったといいます。
再び、富山市のイベント会場。
ステージでは、ロコモ予防の体操を取り入れたダンスが紹介されました。
サンバのリズムに合わせ、大人も子供も楽しみながら予防対策に取り組んでいました。
では最後に、家庭でもできるロコモ体操です。
両手をまっすぐ上げて肩甲骨を押し出し、つま先立ちで伸びましょう。
そのまま上半身を前に倒し、両腕をぶらぶらと左右交互に下げます。
肩甲骨から動かすのが大切です。
次に、息を吸いながら肩甲骨を閉じ、吐く時に開きます。
ゆっくりと5回ずつ、毎日家族で取り入れて、楽しくロコモを予防したいですね。
大きく変化してきた生活スタイルによって、全身を使って運動する機会が減少しています。
日常生活でも、スマホやゲーム、テレビの時間を減らしたり、栄養バランスの取れた食事を心がけたりと、是非家族で取り組んでみてください。