教育現場の根幹を揺るがす事件です。
福岡県須恵町の中学校で勤務していた男が、ニセの教員免許を提出した疑いで逮捕されました。
◆記者リポート(13日)
「容疑者とみられる男が出てきました。男が車へと乗り込んでいきます」
頭からフードをかぶり車に乗り込む男。
13日に逮捕された、福岡県宇美町に住む須恵町会計年度任用職員・近藤正仁容疑者(66)です。
警察によりますと、近藤容疑者は今年1月、採用試験の際に、偽造した教員免許状の写しを役場に提出した疑いが持たれています。
今年4月に採用され、中学校で数学の補助教員として勤務していた近藤容疑者。
事の発端は9月、保護者から学校に寄せられたある相談でした。
◆保護者(取材による相談内容)
「(近藤容疑者は)教員免許を持っていないのではないか」
その後、町からの届け出を受けた警察が捜査した結果、近藤容疑者の免許状には実在する別の人の「免許状番号」が記載されていたのです。
調べに対し近藤容疑者は…
◆近藤正仁容疑者
「偽造されたものだと知りながら提出したことは間違いない。ただ印鑑は偽造していない」
などと、容疑を一部否認しているということです。
近藤容疑者をめぐってはこんな声もー
◆保護者
「成績が良かった子の頭をポンポンしている。水泳部に監督として見に来たと(子供に)聞いた」
Q.顧問でもないのに?
「そうそう」
不審な行動に、女子生徒に対する不適切な発言も。
保護者説明会でも「過去に有罪判決を受け、免許が失効された人物と同一人物では」という声も上がっていた近藤容疑者。
警察は、近藤容疑者が過去にも偽造した免許で、教壇に立っていた可能性があるとみて、偽造の方法などを詳しく調べています。
近藤容疑者は、偽造した教員免許状の提出を認めていますが、なぜ町のチェックをすり抜けてしまったのか。
実は、過去にも同様のケースが複数発生していたことを受けて、文部科学省は2018年に「免許状の原本の確認」を行うよう全国の教育委員会に通知していました。
しかし、今回事件が起きた須恵町の教育委員会では、これまで「写しで可」としていたため、近藤容疑者は受理させることができました。