県内でも昨シーズンよりも1カ月ほど早く9月、流行期に入ったインフルエンザについてです。発症や重症化を防ぐのに有効な予防接種ですが、子どもを対象にした鼻に噴射するタイプの痛くない予防接種がいま、注目されています。
【中原 理菜キャスター】
「こちらの病院では、本格的なインフルエンザの流行を前に痛くない予防接種の人気が高まっているということです」
熊本市南区の田迎耳鼻咽喉科。従来の注射による接種に加え、鼻に噴射するタイプのワクチン『フルミスト』の接種も行っています。
【接種の様子】
(母親)「注射じゃないよ。すぐ終わるよ。痛くなかった?」(子どもがうなずく)
【接種した子ども】
「痛くなかった」
(Q、注射と比べてどうだった?)「こっちがいい」
【接種した子どもの母親】
「注射は泣き叫んだりするのでそれに比べたら全然」
『フルミスト』は昨シーズンから日本での接種が可能になったインフルエンザのウイルスを弱毒化した生ワクチン。左右の鼻に1回ずつスプレーすることで粘膜で免疫が作られます。
【田迎耳鼻咽喉科 小川 晋太郎 院長】
「(子どもの)8割くらいはフルミストを選択する。インフルエンザは鼻や喉から感染することが多いので、より生理的な部分の免疫を高めることができ、発症を予防する効果がより高いのではないかといわれている」
フルミストの接種対象は2歳以上19歳未満。接種回数は注射の場合、13歳未満は2回を推奨されていますが、フルミストは1回で済みます。
ただ、自由診療のため価格は病院ごとに異なり、8000円前後と注射より高価です。
【接種した子どもの母親】
「2回行く暇もなくて体調もすぐ変わるので、(1回接種は)すごく助かります」
【田迎耳鼻咽喉科 小川 晋太郎 院長】
「注射もフルミストも効果は同等。フルミスト投与で〈ぜんそく〉がひどくなったという報告もいくつかある。ぜんそくがひどいお子さんは注射の方がいい」
県内では、昨シーズンより約1カ月早く9月、インフルエンザの流行期に入っています。本格的な流行を前に、選択肢が増えたワクチンで予防を心がけたいものです。
フルミストを取り扱っていない医療機関もありますので、事前に確認が必要です。