台風22号について、矢澤剛気象予報士と見ていきます。
まず、時間を追って八丈島の様子を見ていきます。
9日午前4時ごろの八丈島は、雨が帯のように吹き付け、風も強いのが分かります。
午前5時ごろの映像では、撮影場所は変わっていますが、雨はさらに強さを増して、風になびいて降ってきているのが分かります。視界も真っ白です。
そして午前5時24分に最大瞬間風速54.7メートルを観測しました。
宮司愛海キャスター:
矢澤さん、この時を振り返ってどうでしょうか?
矢澤剛気象予報士:
最大瞬間風速50メートルまで達すると、電柱が倒れるくらいの強さになるため、極めて危険な状況で、外には絶対に出ていけないぐらいの風が吹いていたと考えられます。
午前6時ごろの様子を見ると、周りが明るくなってきました。
ガラスに向かって雨がたたきつけているのが分かります。並んだヤシの木も揺れていて、風が強く吹いていたことがよく分かります。
そして午前6時20分には大雨特別警報が発表されるなど、午前6時になっても雨・風ともに収まらず1時間降水量も5時と比べて大幅に増えていたということです。
雨雲レーダーを振り返って見ていきます。
9日午前0時の段階で、八丈島などは台風本体の雨雲がかかっていましたが、明け方ごろからさらに発達した雨雲がかかってきていて、特に午前5時半ごろにかけてかかっています。
台風の中心がちょうど青ヶ島辺りにありましたが、そのすぐそばの「目の壁雲」といわれる最も危険な積乱雲がかかっていて、雨量もかなり多くなったというわけです。
そして、「ひまわり」の「雲頂強調画像」というものを見ていきます。
色が赤のところほど雲の高さが高いことを示していて、より積乱雲が発達している証拠です。
これがちょうど八丈島にかかっていて、かなり発達した積乱雲がかかりました。
そのすぐ南には目がありますが、ちょうど青ヶ島が目の中に入っていたということです。
これによって雨量にもかなり差が出ました。
明け方ごろの雨量は、八丈島では1時間に92mmの猛烈な雨が降りましたが、100km南の青ヶ島は0ということで、わずか100kmの差でもこれほど被害に差が出ました。
そうした中、これまで八丈島では人的被害は確認されていないということですが、軽自動車の横転や倒木、建物の倒壊、街灯が倒れる被害も出ています。
そして、停電と断水が広い範囲で発生しています。
道路の通行止めやバスの運休、飛行機の欠航、固定電話や携帯電話などの通信環境にも影響が出ているということで、復旧が見通せていないということですね。
青井実キャスター:
この辺りも心配ですし、柳澤さん、台風は通過したものの警戒は必要ということですね。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
まだ23号も来ますしね。これを見ていると、かつてフィリピンを襲った台風の時の荒れ方と似ているような感じがするんですが、日本周辺ってもう熱帯化していると、そんな気がするんですけどね。
矢澤剛気象予報士:
海面水温もかなり高くなっていますし暑いですからね。
西日本も今日もかなり気温も上がっていますので、台風も発達しやすい状況です。
青井実キャスター:
台風は9月に多いですが、10月も多くなりましたよね。
矢澤剛気象予報士:
秋台風に今年も注意が必要な状況が続いています。特徴としては急カーブすること、それから偏西風に乗って動きが早く、いきなり天気が悪くなるという特徴があります。
最近は日本のすぐ近くでも台風が発生するケースが多いのですが、海面水温が高く、現在も沖縄辺りではまだ30度あります。23号がこの辺りを通ってくるので、23号も危険な可能性があります。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
まだ発達しそうですか?
矢澤剛気象予報士:
はい。予報が更新されるごとに変わってきていますので、今後の情報に注意してください。