イギリス・ロンドンで電動バイクを使ったスマホひったくりが急増し、去年は約8万台が盗まれた。ロンドン警視庁が「史上最大の壊滅作戦」を実施し、実態解明を進めている。
走行音が静かな電動バイクを悪用
イギリス・ロンドンで警視庁が、車から引きずり下ろされるスマホひったくり犯逮捕の瞬間を公開した。映像は「史上最大の壊滅作戦」と称して決行された大規模な摘発の一部始終だ。

背景にあるのは、ロンドンで深刻な問題となっている犯罪の急増だ。

警察官:
止まれ!右に回って後ろを向け!

FNNロンドン支局・田中雄気記者:
今ロンドンで急増しているのが、スマホを狙った犯罪です。

街の防犯カメラが捉えた犯行の瞬間映像では、ひったくり犯は歩行者の背後から電動バイクで接近するや、相手のスマホを奪い猛スピードで逃走した。

同じく電動バイクに乗ったひったくり犯はバス停にいる女性にゆっくりと近づくと、女性の手からスマホを奪い走り去った。犯行に使われているのは、Eバイクと呼ばれる電動バイクだ。

FNNは4月、この問題について放送していた。
FNNロンドン支局・田中雄気記者:
こちらはEバイクと言って、日本でいう電動アシスト自転車のようなものですが、このように足でこがなくても前に進むことができます。かなりのスピードが出ます。

Eバイクが犯行に使われる理由は、電動ゆえの特性にあるとみられている。

FNNロンドン支局・田中雄気記者:
走行音がとても静かなため、気づかれずに人に近づくことができます。
ひったくりの被害に遭ったというサハルさんは、当時の状況をこう振り返る。

ひったくりの被害に遭ったサハルさん:
突然後ろから手が伸びてきて、すごい力で(スマホを)奪われました。