東京・銀座にある茨城県のアンテナショップで、干し芋が大人気となっている。栄養価の高さと自然な甘さが支持され、若者やアスリートにも広がる“天然のスイーツ”として注目を集めているという。新品種「べにはるか」の登場で市場が活性化し、専門家も「スーパーフード。これからも伸びていく」と評価する。

売り上げ5年前の2倍

8日昼過ぎ、東京・銀座にある茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」でにぎわっていたのは、干し芋コーナーだ。

東京・銀座「イバラキセンス」
東京・銀座「イバラキセンス」
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店の一番人気は、茨城が生産量全国1位を誇る「干し芋」。
店頭には30種類ほどの商品が並び、干し芋目当てのお客さんたちが次々と手に取っていく。

20代:
すごい種類があって、とりあえずこの1個を試してみようかなと。
お菓子どうしても食べ過ぎちゃうんで、芋だったらいいかなと。

50代:
丸干しが大好き。健康的なのと、おなかがふくれていっぱいになるので、ちょっと食べるのがちょうどいいかなって思っています。

このお店では、干し芋の売り上げが5年前に比べ2倍に増えるなど、干し芋ブームに沸いていて、冬には100種類もの干し芋が店頭に並ぶという。

イバラキセンス・宮﨑実奈子店長:
20代、30代の女性がとても多くて、健康志向の高い方にも喜んでいただける“天然のスイーツ”だと思う。

高校生にも人気…アスリートのエネルギー源としても注目

干し芋は、蒸したサツマイモを乾燥させて作る。
原料は基本的にサツマイモだけで、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれている。

今やその人気は、高校生などの若い世代にまで広がっている。

街にいた高校生からは「私すごい食べる、めっちゃ食べる。“ダイエット効果”みたいな」「百均の干し芋だいすき!!」「(あなた)よく食べてる。学校でも食べてるじゃん」「ちょっと食べてもいっぱい食べた感覚がするので食べる」といった声が聞かれた。

さらに干し芋は、アスリートの体づくりやエネルギー源としても注目されている。

ボディービルダーの間では、プロテインと干し芋を組み合わせて摂取する動きも広がっているという。

「べにはるか」出現によるイノベーション

一方、この干し芋人気の背景には、新たな品種の登場が大きなきっかけになったという。

幸田商店・鬼澤宏幸社長:
大きな1つの背景が、新しい品種の「べにはるか」という品種が出現した。品種によるイノベーションがサツマイモ業界に起こった。

糖度が高く、ねっとりとクリーミーな味わいの新品種・べにはるかの出現などにより、もともと農家の保存食だった干し芋がスイーツとして認められるようになったというのだ。

あ

茨城県のアンテナショップでは、「ほしいもシェイク」など干し芋を使った新商品を期間限定で販売するなど、新たな味覚をアピールしている。

専門家は、今後も干し芋市場は拡大するだろうとみている。

消費者経済総研 チーフ・コンサルタント 松田優幸さん:
準完全栄養食、スーパーフードであるサツマイモに注目が集まっている。最近は「体に良い物を食べましょう」というトレンドがますます増えているし、これからも伸びていくと思う。
(「イット!」10月8日放送より)