去年10月22日、宮崎県延岡市は記録的な大雨が降り土砂崩れで1人が死亡するなど大きな被害がでました。
現場周辺の畑では、今も復旧作業が続いています。
被害を受けた農家がおいしい野菜を提供したいとクラウドファンディングで資材の購入費用などの支援を募っています。
延岡市浦城町のミニトマト農家、おおぞら農園の高浜美貴代表です。
ブロッコリーの苗を丁寧に植えています。
高浜さんは、夫の晃樹さんの家族の土地や近くの荒廃農地を借りて、去年4月に就農しました。
晃樹さんも仕事が休みの日には手伝って、夫婦で荒れた土地を農地に戻そうとしてきました。
(高浜晃樹さん)
「私が小さい頃は一面が田んぼをしていて、幼いながらに美しいなと思ってました」
(おおぞら農園 高浜美貴代表)
「今では耕作放棄地になって雑草まみれの状態になってまして、私も力になりたいと思って、この土地を選びました」
大雨に見舞われたのは就農して半年を過ぎた頃。
去年10月22日、延岡市は観測史上1位となる1時間に114ミリの記録的な大雨となりました。
(おおぞら農園 高浜美貴代表)
「水と一緒にハウスが流されていった状況になります」
高浜さんの約40アールの畑やハウスには土砂が流入しハウスが2棟全壊しました。
畑には折れたハウスの骨組み…ハウスや土砂の撤去には農家や高校生も協力し高浜さんは夫婦で復旧作業に汗を流しました。
(おおぞら農園 高浜美貴代表)
「畑を見るのも辛い、農業から離れたいという気持ちも何回もよぎったんですけど、応援してくれる方がいるから、頑張って復旧した姿を見せなきゃいけないなという思いでやってきました」
倒壊を免れたハウスでミニトマトが収穫できるようになったのは今年6月。
9月からは畑でブロッコリーの栽培をはじめました。
(おおぞら農園 高浜美貴代表)
「どうしてもまだこれぐらいの石とかが、土の中に入り込んでいて、機械を入れる時にどうしても壊れやすくなってしまったりとか、それでまだ完全な土はできていない状態ではあります」
再び栽培できるようになったとはいえ、石を取り除いた上で支柱などを購入する費用に100万円以上かかる見込みでクラウドファンディングを活用することにしました。
(おおぞら農園 高浜美貴代表)
「応援している、野菜を楽しみにしているというコメントをいただいて、その言葉だけでも勇気づけられて、支援した方に食べてほしいというのが一番の気持ちです」
(高浜晃樹さん)
「自分が小さいころ見ていた景色とはちょっと違う景色にはなると思うんですけど、その景色を若い世代の子供たちにつないでいけるように頑張っていきたい」
就農1年目に被災した高浜さん。
地域の農業や農村の風景を次の世代に残したいと夫婦二人三脚で歩み続けています。
高浜さんたちのクラウドファンディングは、キャンプファイアで10月31日まで受け付けています。