手入れが追いつかずに放置された竹林の問題を解決し、地域の活性化につなげる取り組みです。
宮崎県綾町の竹を使った新たな特産品「綾メンマ」が誕生しました。
綾町には約82ヘクタールの竹林があります。
町によりますとそのほとんどが放置された竹林です。
景観が良くないなど課題があり、これを解決しようと開発されたのが綾メンマです。
綾メンマを開発したのは宮崎市で飲食店を経営するT−style。
代表の吉鶴拓也さんは綾町の自然や食、景観に惹かれ5年前に東京から移住しました。
(T−style 吉鶴拓也代表取締役)
「綾城という素敵なお城の回りにある放置竹林を伐採して綾城に人を呼びたいというところから始まった」
綾メンマは綾町が管理する放置竹林を整備する際に伐採された規格外のタケノコを使っています。
また、この取り組みに障害者も参加してもらおうとタケノコのカットや塩漬けは、竹林の隣にある就労支援施設つむぎで行います。
(就労支援施設つむぎ 渡辺孝久さん)
「社会資源として困ったときに地域の方が頼られるような事業所になりたいという思いがあった。障害のある方は、世間からすると乖離、距離があるのが現実。地域の方々と一緒に何かをすることで色眼鏡をどんどん外してもらえればと思う」
味のバリエーションはラーメンのトッピングの定番、醤油味と綾町で作られた麦味噌を使った味噌味の2種類です。
(早瀬純哉記者)
「味噌味のメンマをいただきます。柔らかいんですが、しっかりと歯ごたえもあります。味噌の風味も強いので白ご飯が欲しくなります」
10月7日の試食会には町の職員や飲食店関係者などが参加しました。
(参加者)
「醤油味があっさりしていて食べやすかった」
「おいしいです。醤油の味がしっかり絡んでいてお酒に合いそう。綾を代表する商品になってほしい」
(T−style 吉鶴拓也代表取締役)
「森を食べて森を良くするという循環型の取り組みを知ってほしい。このメンマを通じて、森の大切さを知ってもらったり、綾に来てもらうきっかけになってほしい」
「綾メンマ」は吉鶴さんが経営する宮崎市の飲食店大衆酒場ざっくばらんなど4店舗で、10月7日に販売が始まりました。
来年には綾町のほんものセンターや宮崎空港での販売も目指しています。
放置竹林には景観の悪化以外にもこのような問題があるといいます。
全国13カ所で放置竹林の改善活動を行っているLOCALBAMBOO江原太郎代表によりますと、
・竹が生えすぎることで日光が届かなくなり植物が育たなくなる。竹が腐って人家や線路に倒れる被害も。
・竹林では竹が浅く広範囲に根をはるため、雨が降ると竹林ごと斜面を滑り落ちる危険がある。
・放置竹林はシカやイノシシなどの絶好の住処となるため、近くに畑などがあると農作物に甚大な被害を及ぼす。
などがあるということです。